ヨモギが癌に効果的はデマ?ホント?真相を考察
数年前からSNSを中心に「ヨモギが癌に効果的」といった話をみかけるようになりました。
自然療法大好きな私ですから、もちろん自身のカラダをつかっていろいろな角度から検証してみましたが、少なくとも私自身の健康成果は十分確認出来ましたので、ヨモギが癌に効果的な可能性は間接的には十分ありえると考えています。
ただ、私が自身のカラダで癌に対する効果の検証が実施できないため、ヨモギが癌に効果的とは断定できない状況です。
癌を患って来店されるお客様も多く、ヨモギを試しているけどイマイチ効果が解らないという方もいらっしゃいますので、ヨモギが本当に癌に効くかどうかの真相を出来る限り考察していきたいと思います。
ヨモギが癌に効果的と言われる理由
「ヨモギが癌に効果的だ」という話を私が初めて聞いたのは3年前くらいだったと記憶しています。
その時の話で印象に残っているのは「ワシントン大学がヨモギは抗癌剤の34,000倍の抗がん作用があるとの論文を発表した。」というフレーズでした。
その話が浸透していったからなのか、2年前位からSNSなどで「ヨモギが癌に効果的 ワシントン大学論文」という文章をよくみる様になりましたので、ヨモギが癌に効果的と言われる理由はワシントン大学の発表が基になっている可能性が高いといえます。
ヨモギが癌に効果的という根拠
ヨモギが癌に効果的と言われる理由を上述しましたが、ヨモギが癌に効果的な根拠を確かめるには「ワシントン大学の論文」が必要になります。
WEB上で検索をかけたところ、以下のワシントン大学の研究に関する記述が英文で掲載されていました。
>>ワシントン大学サイト:ワシントン大学の研究に関する記述<<
上記サイトに英文で掲載されている内容の要約は以下になります。(「ワシントン大学の研究者は」の主語は省いています。)
- 中国医学を改良し、市販薬剤よりも特定の種類の癌細胞を殺す効果が1,200倍以上高い化合物を開発した。
- 新しい化合物はニガヨモギから抽出される抗マラリア薬アルテミシニンに新たな工夫を加えたもの。
- アルテミシニン化合物に癌細胞に選択的に作用させ健康な細胞には影響を与えない様に施した。
- アルテミシニン化合物を白血病細胞・乳癌細胞・前立腺癌細胞に試験し癌細胞に効果的に作用があった。
- アルテミシニン化合物は健康な細胞1個につき1万2000個の癌細胞を殺すことができるため、副作用が最小限の薬にできる可能性がある。
- アルテミシニン化合物は鉄分が存在すると有毒(鉄分が無ければ無害)であり、癌細胞が高鉄分という特性を利用してアルテミシニン化合物を癌細胞に作用させる。
- アルテミシニン化合物の作用機序は、ほぼすべての癌に適用されるはずである。
- アルテミシニン化合物の人体実験は少なくとも数年先となる。
上記記述をみる限りは、ニガヨモギから抽出されるアルテミシニンという物質が抗癌作用を有しているということは発表していますが、ワシントン大学が「ヨモギは抗がん剤の34,000倍の抗癌作用がある。」との論文を発表したとは残念ながら読み取れないので、ヨモギを摂取したからといって癌に効果的という根拠には至りませんでした。
癌治療に取り入れられるヨモギ
ヨモギが癌に効果的というワシントン大学の論文は確認出来ませんでしたが、ヨモギから抽出した成分を活用した癌治療を行っている日本の医療機関もありますので、以下に紹介させていただきます。
瀬戸のまち統合治療院
瀬戸のまち統合治療院のコラムでヨモギの一種であるセイコウという草に多く含まれているアルテスネートという成分に強い抗がん作用があり抗がん効果が期待できると記されており、効果がある理由として鉄分を取り込む性質のある癌細胞にアステスネートが反応し活性酸素を発生させ、活性酸素に弱い癌細胞を死滅させる機序だと解説されています。
ヨモギやヨモギをつかった食品を摂取することで健康効果は期待できるが、食事での摂取では殆ど肝臓で代謝されてしまうため、アステスネートの直接点滴で投与するとありました。
まりこ泌尿器科・漢方内科
まりこ泌尿器科・漢方内科では癌治療としてのアルテスネイトで、青蒿(キク科ヨモギ属)から分離・精製した薬剤の点滴により、癌細胞内の鉄イオンと反応してフリーラジカルを発生させ癌細胞を細胞死させることで効果を発揮するとしています。
また、ワシントン大学佐々木教授により、アルテスネイトに抗腫瘍作用があり、癌治療薬として治療を開始し治療効果をあげていると紹介しています。
ヨモギに期待できる健康効果
冒頭で記述しましたが癌にヨモギが効くという説は「ワシントン大学がヨモギは抗癌剤の34,000倍の抗がん作用があるとの論文を発表した。」というフレーズがSNSなどで独り歩きした結果の可能性が高そうです。
ただ、ヨモギから抽出した成分で癌治療を行っている医療機関があるという事実があるのでヨモギが癌に効果的ということは決してデマではない筈。だからといって癌を患っている方がヨモギを経口摂取して癌が治る可能性は低いといえそうです。
ヨモギの歴史的背景や私のカラダで試した結果を鑑みると健康効果が高い植物といえますので、癌を患わない健康的なカラダを目指す上で活用するにはおすすめの植物といえます。
これからの癌の治療にも期待がもてるヨモギですが、癌だけでなく様々な健康効果もあり、以下の記事などでヨモギの栄養について勉強できます。
ヨモギの注意点
カラダに良いヨモギですが、個人で扱う場合は鳥兜(トリカブト)に似ているなどがありますので摂取する際には注意点も必要です。ヨモギの見分け方など詳しい内容は以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
日本では古来から神奈備(かんなび)という言葉があります。この言葉は、神や霊が降りてきて宿るものや依りつく対象物のことを指したり、精神世界と物質世界の間(あわい)のことを指す言葉です。
大麻は、しめ縄の原料としてつかわれており、神の植物と言われるなど、まさに神奈備ともいえる植物ですが、残念ながら違法なので気軽に摂取することはできません。大麻に含まれているカンナビノイド(成分の総称)繋がりで、この神の植物に変わる万能の草として近年注目を集め始めているのが実はヨモギです。
神が宿るという説明だとスピリチュアル的過ぎますが、癌に効果的な成分やデトックス効果の高い成分が含まれているからこそスピリチュアル界隈でも注目を集め始めているのかもしれません。
ヨモギを摂取したから癌が治るということはないかもしれませんが、癌予防や健康を維持するためのツールとしては有効な植物の1つだといえるので、そういった感覚でヨモギを日常生活に取り入れてみることをおすすめします。