「温める」と「暖める」の違いとは?身体と心に届く温活の本質

「身体を温める。」「身体を暖める。」普段の生活でもよく耳にする言葉ですが、どちらの漢字が適しているか迷うこともありますね。どちらか解らないから「身体をあたためる。」と、書いたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
この2つの漢字は使われる漢字の違いからも分かるように微妙なニュアンスの差が存在していますので、今回の記事では「温める」と「暖める」の違いを言葉・文化・医学・心理の視点から解析し、この2つを同時に行える(?)海水温熱療法に繋げてみたいと思います。
温めると暖めるの言葉のニュアンスの違い
温めるという言葉は、熱エネルギーを加えて対象物の温度をあげるというニュートラルで物理的な表現で使うことが多く、ご飯を温める、身体を温めるなど対象物の内部まで熱を通すイメージになります。
これに対して暖めるという言葉は、部屋を暖める、手を暖める、心を暖めるなど、内部に熱を通すというよりは、外部のぬくもりを示したり、寒さを感じさせない様にする意味合いが強くなります。
「あたためる」を身体にあてはめたときの違い
温めると暖めるの言葉のニュアンスの違いをそのまま身体のあたためるに当てはめると以下の様に整理できます。
- 温める = 深部加温 → 内臓・筋肉・血液の温度を上げる。(体内環境を整えて代謝や免疫に直接作用)
- 暖める = 表面加温 → 皮膚や感覚的な温度を上げる。(心理的な安心感・リラックスをもたらす作用)
イメージ的には岩盤浴や温泉であたためるのは「温める」で、カイロやブランケットであたためるは「暖める」になり、手前味噌になりますが、海水温熱療法は深部までの熱入れ(温め)と外からの熱のぬくもりと人の手の安心感(暖め)を両方兼ね備えたものになります。
医学的にみる温めるの効果
身体を深部から温めることには科学的に以下の様な効果が期待出来ます。
- 血流改善 熱によって血管が拡張し血液の流れがスムーズになり、酸素や栄養が全身に届き老廃物の排出も促進。
- 代謝促進 深部体温が1℃上がると基礎代謝が約12%上昇すると云われており、脂肪燃焼・酵素活性・エネルギー産生が高まり冷え性改善やダイエットに効果的。
- 自律神経の調整 交感神経と副交感神経のバランスを整いやすくなるので、リラックスを促進。
心理学的にみる暖めるの効果
暖めることはカラダだけではなく心への作用も期待出来ます。
- オキシトシン分泌 ぬくもりを感じると愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌され、安心感・幸福感・信頼感が高まりコルチゾール(ストレスホルモン)を減少させる。
- 安全安心の感覚 外から護られている感覚は精神的ストレスを軽減し不安を緩和。(寒い日に毛布にくるまれると心まで落ち着くなど。)
温活における本質は… 温める+暖める
世の中には色々な温活がありますが、温めると暖めるが単独になっているものが少なくありません。例えば電気毛布やカイロは外側から一時的にぬくもりを与えますが、暖める作用だけなので、カラダの深部まではぬくもりが届きにくくなっています。
一方で岩盤浴や温泉浴などは深部を温める力が強く健康効果に直結しやすいものになっているのでお勧めですが、またまた手前味噌になりますが、理想的なのは温めると暖めるを同時に行う海水温熱療法です。
温めると暖めるを両立する海水温熱療法
海水温熱療法が温めると暖めるを両立するのは…
- 海水で蒸したタオルでカラダ全体をじっくりと温める
- 施術者が手で包み込むようにかざしていくので心理的にも暖める
この2つを同時に行うということにあって…
- 深部体温の上昇による血流や代謝改善が見込める
- ぬくもりと人の手による安心感で自律神経が安定する
- 心身のリセット感を体験できる
などの一般的な温活法では得られない全体的な効果が期待できるのが特徴の1つです。温めると暖めるがセットになって両立されていると、あたたまりの相乗効果が起きて単体のあたためるよりも何倍もの効果が期待できると考えています。
まとめ
温めると暖める違いを簡単にまとめると…
- 温める = カラダの内部に熱を届ける(深部作用)
- 暖める = 外側からぬくもりを与える(表面・心理作用)
と云えますが、双方とも健康の為に必要ですし両方のバランスも大切だと云えますので、温活をする際はカラダを温めることと心を暖めることを意識し行うことがお勧めです。