お風呂の温度45度はあり?海水温熱師が推奨する入浴の仕方

日本人の一般的な話では、お風呂に入るとき多くの人が40度前後の温度に設定すると云われています。
季節によって多少上下させますが、私も基本的には40度前後の温度に設定して湯船に浸かる様にしています。たまにクライアントさんから「45度位の温度だと健康的にどうなの?」「熱いお湯じゃないと入った気がしない。」ということを言われますので、今回は45度前後の熱いお湯に入浴した場合の健康効果や身体へ与えるリスクなどを検証していきますので参考にしてみてください。
海水温熱界隈で云われるお風呂の入り方
海水温熱界隈でお風呂に入る時の推奨は、温めで長めになります。温度でいうと38度~40度、時間にすると20分~30分位が目安になっています。(可能であれば入浴する際に海水塩を使用。)
温めで長めに入浴することで、身体の芯を温めやすくなるので、海水温熱療法の特性上この入浴の仕方が推奨されています。
45度のお風呂に入るメリット
45度のお風呂のニーズが一定数ありますので、45度前後の入浴によるメリットを解説していきます。
交感神経を一気に高める
45度のお湯はなかなかの温度になりますので、自律神経のうち交感神経を強く刺激し、朝や仕事前に入るとシャキッと目が覚めやすいので気持ちを切り替えたいときに効果的です。
熱いお湯じゃないと入った気がしないという方は、交感神経への刺激を求めていることが多く、覚醒的なものを求められていることが多いので、交感神経を一気に高めたい人には向いています。
血流が一気に促進される
高温のお湯に入ると皮膚の血管が瞬時に拡張し血流が一気に流れやすくなり、筋肉のコリや一時的な疲労感がスッと軽くなることがあります。特にデスクワークや立ち仕事で肩が重い人や足が重だるい人には熱めでリセット感がでやすくなります。
ケトン体優位によるダイエット効果
熱いお湯に入ると生命を維持するための防衛手段として身体がケトン体優位に転換する可能性があります。
ケトン体優位に転換すると身体を動かすためのエネルギーとして、脂肪酸からつくられるエネルギー源をつかい始めるので、いわゆる糖質カット食事制限に近い脂肪燃焼効果が期待できるかもしれません。
汗がしっかりでやすい
短時間でも大量に汗をかけるので、デトックスしたいとかさっぱりしたいという人には満足感が高くなります。サウナが好きな人にとって45度のお風呂は自宅でできる簡易サウナといえる立ち位置にあるので、サウナに入る習慣がある方にとっては効果的な温度になります。
45度のお風呂に潜むデメリット
45度前後の入浴によるメリットがあるのであれば逆にデメリットも発生してしまいますので、デメリットについても解説していきます。
心臓への負担が大きい
高温浴は心拍数を急激に上げ、血圧も上昇させてしまうので、心臓や血管に疾患がある人や高齢の方にはリスクが高いとされています。近年問題になってきているヒートショックの危険性も高まる可能性があるので、高温浴には一定の注意が必要です。
体温がすぐに上がりすぎる
適度な温浴は深部体温をじわじわ上げ、入浴後に身体が自然に冷える過程で副交感神経が働き眠気を誘いますが、45度前後の入浴は体温が急上昇するため、のぼせや不眠に繋がりやすくなってしまいます。
少なくとも夜の高温浴は健康的な観点からあまりお勧め出来るモノではないといえます。
長い時間の入浴が困難
流石に45度前後ともなると熱すぎて5分もたないという人も多く、十分にリラックスできないことがあります。
温熱療法の観点からすると、じっくり温めて体内に熱を浸透させる方が良いとされるので、45度という瞬発力型の入浴法は深部に熱が浸透しないというデメリットがあります。
海水温熱師が勧めるお風呂の温度45度活用法
あくまでもある程度の健康体であるという前提を基に、シャキッと感をだしたいなど熱いお湯に入浴したい方向けに、お風呂の温度45度の活用法を解説します。
上記で挙げた45度前後の入浴のメリット・デメリットを総称すると日常的な活用方法は…
- 45度の入浴は朝や昼のみで休憩を挟みながら10分程度の入浴にする
- 夜は40度前後の温めの温度で20分程度の入浴にする
になります。もちろん健康状態によって朝や昼の45度前後の入浴を避けた方が良い場合もありますので、体調等を鑑みて調整が必要です。
デスクワークでの肩のコリや、立ち仕事による足の疲労が強い場合は、一気に血流を流した方が疲労回復や身体のリセットに繋がることもあるので、その場合は少々面倒にはなりますが、45度の湯船に短時間浸かった後、水を足して40度前後まで温くしてから長めの入浴をされることをお勧めします。
人によって個人差がありますので、ご自身の特性や体調等をみながら臨機応変にベストな入り方を模索していくことをお勧めします。
まとめ
お風呂の温度が45度は有りか無しかでいくと、基本的には有り派です。
45度のお風呂に入りたい方は、交感神経を高めたり、シャキッとしたいという個人ニーズに則った欲求ですし、それを身体が求めている可能性が高いので、それに従って入浴すればいいと考えています。
海水温熱師としての私の見解としては、やはりじっくりと深部に熱を届けていく方が健康に良いと考えますので、温めで長めを推奨したいところですが、たまに私も45度のお風呂に入りたい時も確かにありますので、臨機応変に取り入れていけば問題ないかと思います。
あくまでも身体の状態をみながら、健康的にベストな方法が望ましいので、年齢を重ねてきた時など温度を見直すなど現状の自身にあった温度を模索することがお勧めです。