温熱士がすすめる「肩こり」の温め方
現代社会において肩こりを自覚している方はたくさんいると思います。
痛かったり、筋肉に張りを感じるときには湿布を貼ったり、マッサージやストレッチなどで対処しますが、冷えが原因の場合もあります。
特に寒くなってくると血流が悪化してしまいそのまま放っておくと肩や背中の凝りや痛みに繋がってしまいます。
肩が冷える原因
肩こりには様々な原因がありますが肩が冷えている場合はストレスや運動不足があると考えられます。
ストレスがあると筋肉は緊張して固くなります。
筋肉が固くなるとその周辺の血管が圧迫され血流が悪化し、疲労物質や痛み物質が溜まります。
お仕事等で同じ姿勢を長時間続けることも筋肉を固くします。
心当たりがないのに痛いときはストレスや運動不足が関係している可能性があります。
肩こりを温める理由
肩こりは疲労の蓄積やストレス、冷えにより筋肉が固くなる事が原因です。
温めることにより硬くなった筋肉がほぐれ、肩こりの症状を緩和してくれます。
肩が張って痛みがつらいときにはまずは、温めて肩こりを緩和する温熱ケアをお試しください。
血流が改善される
長時間机に向かい同じ姿勢でいると肩や首に負担がかかってしまいます。
筋肉が緊張し硬くなった筋肉が血管を圧迫して血液の流れが滞ってしまいます。
また肩、首は5~6㎏もある頭を支えているため他の部分よりも血行不良を引き起こしやすい所でもあります。
肩を温めれば血管を圧迫している筋肉がほぐれるので血管が拡張し血液の流れがスムーズになります。
疲労物質が流れる
血流が悪くなると一定の体温を保つために必要な酸素が行き渡らなくなり体の冷えにも繋がってしまいます。
体が冷えると血管が収縮してしまうためエネルギー生成に必要となる酸素が肩や背中にも届きません。
酸素不足の状態が続くと疲労物質や老廃物も溜まりやすくなるため肩こりを引き起こしてしまいます。
その時にしっかり温めれば固くなった筋肉がほぐれて拡張し血流が改善されるとともに、疲労物質や老廃物も流れ体外に排出されます。
肩こり改善に効果的な温めるべき場所
僧帽筋(そうぼうきん)は文字通り僧侶の帽子に形が似ていて、首の後ろ(後頭部)から肩、背中にかけて付いています。
肩こりを引き起こす筋肉の中ではこの「僧帽筋」の緊張が一番多い原因となりますので必ず温めて血流を良くしましょう。
上の画像は「大椎(だいつい)」というツボです。
周辺には太い血管や神経(中枢神経や交感神経など)が通っているので温める事によって肩周辺に温かい血液が行き届くことが期待できます。
大椎を温めること=僧帽筋を温めることにもなるのでこの2か所は同時にケアできますね。
おすすめの温め方
湯船で肩のこりを温める
最近では、湯船には浸からずシャワーだけで済まされる方もいるかと思います。
シャワーだけの場合、体を洗う事は出来ても芯までしっかり温まることはできません。
表面だけを温めるだけなのですぐに冷めてしまいます。
湯船に浸かることで体全体を温めて血流が良くなり体温も上がります。
そうなることで血流が促進され凝り固まった筋肉がほぐれて肩こり症状も緩和されます。
湯船に浸かるメリット
- 生活習慣の中でできる
- 全身を温められる
- 水圧によるマッサージ効果もある
入浴は生活習慣の一つなのでわざわざ何かを用意する必要がなく手軽にあたため血流を促進する事ができます。
普段シャワーで済ませている人にとってはお湯を張ったり湯船に浸かる時間が面倒に感じる人もいると思いますが、入浴する事で1日の疲れをほぐす事ができます。
疲れを翌日に持ち越さずその日のうちに疲労感を軽減することは肩こり緩和にとても効果的です。
湯船に浸かって温まる際の注意点
ただ湯船に浸かって温めるだけでも肩こり緩和に効果は期待できますが、入浴時間・お湯の温度にも気をつける事でよりよい効果が期待できます。
目安は15~20分程度です。
肩や背中、首の筋肉をほぐせるよう首までじっくり浸かりましょう。
お湯に浸かっている時も凝りを手でほぐしたり、肩甲骨を動かす事でより凝りがほぐれて疲労物質も体外へ排出しやすくなります。
お湯の温度は40~42℃が目安と言われていますが個人的には44〜46℃で試してみてください。
高温になるとヒートショックプロテインという体内でしか作られないタンパク質が生成されます。
ヒートショックプロテインは損傷を受けた細胞を、ストレスがかかる前の状態に修復、整備する働きを持っています。
温度はあくまで目安であり、個人差が必ずあります。
人によっては、ぬるすぎると血流が良くならない、熱すぎても神経が興奮状態になりかえって体に負担がかかってしまいます。
40~42℃のほどよい湯加減だと自律神経の「副交感神経」を刺激するのでリラックス効果も得られます。
お湯の温度は色々試してみて「自分が1番身体の調子が良くなる温度」を見つける事が大切ですので自分に合った湯加減に調節して下さい。
使い捨てカイロで肩のこりを温める
使い捨てカイロは開封してすぐに使える便利なアイテムです。
寒い冬の時期に防寒対策として活用する事が多いですが肩こり改善にも役立ちます。
使い捨てカイロで温めるメリット
- 仕事中・通勤中・移動中でも温熱ケアできる
- コスパが良い
- 貼るだけで使える
そのため通勤時間や移動中にも温熱ケアする事が出来るので時間がない人にも便利なアイテムです。
パソコンに長時間向かうデスクワークの仕事をしている方もカイロなら仕事中に肩こりを緩和させる事ができます。
貼るカイロは価格も安く1度貼れば8~12時間ぐらいポカポカと温かいので経済的に負担もなくすみます。
使い捨てカイロの注意点
使い捨てカイロを肌に直接貼ると低温やけどを引き起こす可能性があります。
必ず衣服の上から貼るようにして熱いと感じたらすぐに使用をやめましょう。
市販の温熱シートを活用する
肩こり改善に有効な商品もたくさん販売されています。
その中でも温熱シートは肩こり改善を目的としているので心地よい熱が続いてじんわり凝りをほぐす事が可能です。
市販の温熱シートで温めるメリット
- 開封してすぐに使える
- 肌に直接貼れる商品もある
- 40℃前後の心地よい熱が続く
使い捨てカイロと同じで開封してすぐに温まり貼っておくだけで温熱ケアができます。
心地よい温かさを感じる40℃前後をキープしてくれるので低温やけどの心配もなく5~8時間の温熱効果が続くためじんわり温めて凝りをほぐす事ができます。
市販の温熱シートを活用する際の注意点
肩こり改善の温熱シートは肌に直接貼れるタイプがありますが一部の商品です。
すべてが直接肌に貼れるとは限りませんので、使用前に注意書きをしっかり確認して下さい。
継続的に使用する場合は同じ部分ばかり貼るとかぶれや赤みの原因になってしまうので位置をずらしたりして使用しましょう。
タオルを使う
蒸しタオルをあてる
水で濡らして温めた蒸しタオルを肩にあてると緊張して固くなった肩の筋肉がじんわりとほぐれます。
自宅にあるもので用意できるのですぐに温熱ケアをする事が出来ます。
蒸しタオルで温めるメリット
- 自宅で簡単に用意ができる
- コストがかからない
- 肌にやさしい
- 温かさを調整できる
蒸しタオルはタオルと電子レンジがあればつくれます。
どれも家庭にあるアイテムなので購入費がかからずタオルは洗えば繰り返し使えるのでとても経済的です。
蒸しタオルの作り方
- タオル全体を水に含ませたらしっかりしぼる
- 電子レンジ600w1分
- タオルの温度を確認する
電子レンジで温める時間はタオルの大きさや電子レンジの種類によっても変わります。
まず20秒ほと温めてみてぬるいようでしたら温めの時間の追加をして下さい。
熱すぎる場合はパタパタしながら冷やしましょう。
蒸しタオルの作り方をまとめた記事がありますのでこちらをご覧ください。
蒸しタオルを温める際の注意点
作りたての蒸しタオルは温度が高すぎる場合があります。
熱すぎると皮膚の薄い首・肩はやけどを引き起こしてしまう場合があるので、タオルが高温の場合はそのまま使用せず冷まして適温になってから使用しましょう。
海水温熱療法を受ける
海水温熱療法は海水で蒸しタオルを足裏から頭のてっぺんまで全身を深部まで温めていく沖縄発祥の民間療法になります。
海水温熱療法のメリット
- 全身を深部まで温める事ができる
- 冷え症緩和・基礎体温アップ・免疫力アップなど様々な効果が期待できる
- 温熱士による施術なので安心して受けられる
海水で蒸しタオルは60~70℃です。
お客様の体にのせる際にベースタオルを挟むので体感的には40~45℃くらいになります。
基本的に気持ちいいと感じられる温度ですが不調箇所は「やけどしているのでは?」と思うほど熱く感じられるますが基本やけどはないので安心して受けて頂けます。
熱く感じる=不調箇所とわかるようにご自身の体の状態の把握にもなります。
冷えの状態だったり不調箇所の程度にもよりますが
- カラダがかるい
- 目がスッキリ
- 睡眠の質が良くなった
- お通じ良くなった
など1日で体感できる効果、次の日以降に感じられる効果も期待できます。
体が冷えすぎてたりなど体感できなかった場合は連続で受けて頂く事により体感していただけます。
お風呂に浸かるよりも深部まで温まった感じがあり全身の中でも頭・目の施術は他にはない受けた人にしかわからないスッキリ感を感じる事が出来ますので、不調を感じる方は是非一度、海水温熱を試していただきたいと思います。
海水温熱療法を受ける際の注意点
持病の種類や症状により受けられない場合があります。
- インシュリン投与
- 透析されてる方
- ペースメーカー使用
- 妊娠中の方
- 術後2ヵ月以内
肩こりに効果的な首まわし運動
首すくめ運動
背筋をのばして両肩をすくめるようにして持ち上げます。
10秒ほどキープしたら肩を落として一気に脱力します。
下記動画を見ながら行ってみてください。
首回し運動
肩の力を抜いて「前→右→後ろ→左」の順番でゆっくり回します。
左右10回ずつ行いましょう。
下記動画を見ながら行ってみてください。
首横倒し運動
肩の力を抜いて「前→右→後ろ→左」の順番でゆっくり回します。
左右10回ずつ行いましょう。
下記動画を見ながら行ってみてください。
をゆっくり曲げて5~10秒キープし元に戻します。
左右交互に2~3回ほど繰り返して下さい。
下記動画を見ながら行ってみてください。
首前倒し運動
首をゆっくりと前に倒します。
首の後ろを伸ばして10秒キープし元に戻します。
これを2~3回繰り返して下さい。
下記動画を見ながら行ってみてください。
急性の肩こりの場合は?
急性の肩こり(肩こりが起きて3日以内、動かして痛みがある)の場合は、温めるよりも冷やして下さい。
急性肩こりは肩の筋肉に炎症が起きている状態ですので冷やして落ちつかせましょう。
冷やす方法は冷湿布・氷嚢を使うと便利です。
凝りをほぐすのではなく炎症を落ちつかせる事が目的ですので、痛みのある部分だけを冷やす事がおすすめです。
まとめ
肩こりをそのまま放置していると疲労物質がどんどん溜まり症状がさらに悪化してしまいます。
温め方は、お家で出来る・仕事中・移動中でもできる温熱ケアでどれも今日からすぐに始められるものばかりですので、まずは出来ることから試してみて下さい。
すぐに体感したいという方は、海水温熱がおすすめですので是非一度お試し下さい!