海水温熱療法の可能性をメカニズムからひも解く
海水温熱療法で何故効果がでるのか。一般的に言われているものから私の仮説までいくつかご紹介させていただきます。
民間療法というエビデンスのない治療方法だからこそ、昔から伝わる癒しの風習や、新しい研究や発見と結びつけて、痛みや不調を抱えた方々の身体を治癒することができるので海水温熱は可能性のある健康療法だと考えています。
湿った熱は身体の深部に浸透する
“ 温活 ” という言葉があるように、身体を温めることは美容や健康に有効あることが一般的な認知となっているので、身体を温める方法・施術や商品が世の中にはたくさんでていますが、昔の日本では子どもの腹痛時などに炊いたご飯を布でくるんでお腹の上に載せて温めていました。
これは湿った熱は身体の深部の細胞に浸透していくことを知っていたからですが、海水温熱療法も施術で湿ったタオルを使用します。これにより身体の深部への熱浸透が効率的に行わることで身体を芯から温めて、細胞の活性や免疫力向上が実現されるなど、身体へのよい効果が期待できます。
“ 海水 ” が何よりのキーポイント
フランスの生理・生物学者のルネ・キントン(René Quinton(フランス語):ルネ・カントン)が血液のミネラル組成と海水組成が近似していることを発見しており、様々な治療で活躍しています。
通常のホットタオルは身体の深部へ熱が浸透しにくいですが、海水温熱療法は身体の深部へ熱が浸透してくれるメカニズムの1番は、先もお伝えしたように、血液のミネラル組成と海水組成が近似していることだと考えられます。IHの様な電磁波を帯びたもので海水を温めると熱浸透がほとんど行われないのも、電磁波で海水組成が破壊されるからだと推測されます。
これらのことから、海水温熱療法で使用される海水はただの海水ですが、されど海水ということで、海水が何よりのキーポイントで、これが有効性をもたらす最大のトリガーになります。
鍼灸治療のメカニズムに通ず:仮説
鍼灸治療には様々な流派があり、治療のメカニズムは色んなことが言われてますが、交易社団法人 日本鍼灸師会のホームページで、鍼灸がなぜ効くのかの解説で以下の様に記されています。
身体には皮膚や筋肉などに刺激が加えられると自律神経の活動が変化し、自律神経が支配する臓器・器官の働きが反射的に調節される仕組みも備わっています。鍼や灸の刺激はその仕組みを利用して自律神経活動を変化させ、血管の調節をしたり臓器の働きを良くしたりします。その結果、血圧が調節されたり、ホルモンバランスが整えられたり、免疫系が活性化したりなど全身性の広範な効果が引き起こされます。
海水温熱療法は通常の体感温度が40度~45度で一般的なお風呂の温度ですが、機能が低下している細胞に関しては70度~80度くらいに「熱い」と感じてしまいます。 鍼灸とは、また違う刺激になりますが「熱い」と感じる温度が身体にとっては十分な刺激となり、自律神経活動を変化させるはずです。これにより、治ろう(健康な状態に戻ろう)という身体の機能が向上するので、海水温熱にも治癒の効果が期待できるというわけです。
一種の波動療法:仮説
近年急速に注目を浴びている “ 波動療法 ” には、ドイツ波動医学バイオレゾナンス療法、メタトロン治療、低周波治療器AWGなど、民間療法的なものからクリニックなど医療現場で扱われているものもあります。 機器や理論等によって様々ですが、波動(周波数)が健康に寄与していることは、最早常識になりつつあります。
海水温熱療法も波動が大きく関与するきらいがあって、施術者によって効果がガラッと変わることが多々あります。 基本的にはいわゆる高波動だと思われる施術者が施術すると身体のスッキリ感や各機能向上の感覚が得られますが、低波動だと思われる施術者が施術するとあまり効果がでなかったり、逆に身体が冷えてしまうことがあるので、施術者の波動領域はかなり重要になってくると考えています。
それに付け加えると、施術者と受け手の波動領域が違い過ぎると、効果がでなかったり、施術者が体調が悪くなってしまうことも実際にあります。 山口大学准教授小柴先生に海水温熱療法の周波数領域での違いについて質問したところ、学術的にみると海水温熱療法でも十分波動(周波数)の伝達が関与していそうだと仰られていました。
恐らくですが、海水温熱療法では太古から存在する海水で蒸したタオルが媒介となって、施術者と受け手の間で波動(周波数)の交流の様なことがおこりエネルギー的なものが共鳴する等により何かの効果が得られると考えています。
ミトコンドリアの活性:仮説
一度は耳にしたことがある単語だと思いますが、私たちの身体細胞の中には “ ミトコンドリア ” というものが存在し、生きるのに必要なほぼすべてのエネルギーを生産しています。
エイジングケアなどで注目されることの多いミトコンドリアですが、機能が低下してしまうと、心臓障害、中枢神経系障害、筋力低下、腎障害、肝障害などが起きる可能性があるので、ミトコンドリアの活性化は健康にとってもかなり有効なことになります。 ミトコンドリア活性には筋肉を増やしたり運動したりということが一般的ですが、身体が死に直面した時に大きく活性化することが解ってきています。寒さ、熱さ、痛みなどですね。
海水温熱療法は身体の状態が悪い時は、もの凄く熱く感じて火傷してしまうんではないかという恐怖を疑似体感できますので、(実際には40~45度です。)身体が死に直面した状態を安全につくることができ、これによりミトコンドリア活性につながり上述した様な機能の向上をサポートすると考えています。
ケトン体優位に転換:仮説
癌について調べられている方は一度は目にしたことがあるかと思いますが、 “ ケトン体 ” というエネルギー源が優位になると、癌の進行を抑えることが出来る。というものです。
身体を動かすためのエネルギー源として代表的なものはブドウ糖(グルコース)ですが、このブドウ糖が減少すると肝臓に蓄えられているグリコーゲンをグルコースに分解されて利用される様になります。
ただ、グリコーゲンは最大24時間で枯渇してしまうので、筋肉中のタンパク質や脂肪細胞に蓄えらえている脂肪酸をエネルギー源として活用する様になります。
ケトン体はこの脂肪酸からつくられたエネルギー源ですが、このメカニズムを応用して考案されているのが糖質制限ダイエット(日本ではトレーニングジムなどが行う食事制限。)ですね。 私も1年間実施したことがありますが、確かに脂肪が減少して体脂肪率は落ちます。
ですが、半年間も続けると内臓機能が著しく低下して肌ツヤや血色が低下して酷い時には慢性疲労症候群の様な症状に数カ月間悩まされました。 糖質は内臓の細胞分裂時に欠かせないものですし、身体がずっと飢餓状態なので身体にとって決して良いモノではありません。
私は仕事柄ダイエットの相談を受けることも多いですが、糖質制限ダイエットだけは絶対に推奨しません。(結婚式の為になんとかしたいという方には1カ月間迄なら勧めています。) ただ、医療現場では癌患者へのケトン食療法なるものもあり、抗がん剤の副作用が多分に緩和されるという症例も結構あるみたいですので、その様な場合はありなのかもしれません。(そもそも抗がん剤反対派なので、なんともな感じですが。)
話がだいぶ逸れてしまいましたが、ケトン体はなにも飢餓状態時にしか体内で増えないことはなく、生命を維持するための防衛手段の一つとして色んな場面で体内で増えるとされています。
以前エクストリームスポーツの師匠に70メートルのロッククライミングに招待され、登ったところ、少なくとも3回は「もう駄目だ。滑落して死ぬ。」と感じましたが、すべての工程を終えて下山した後は無茶苦茶身体が軽くて動きやすかったのを強く記憶しています。
師匠にどういうことか質問したところ、命を懸けた時には身体が極限状態になってケトン体優位になるから身体が楽になって動きもスムーズになると仰っていました。(しかも、その状態は人によっては数日から数週間持続すると。)
エクストリームスポーツの師匠は、「海水温熱療法は、エクストリームスポーツです。」と断言されている(ロッククライミングやハイラインなど、危険なことをやった時と体感的に同じ身体、少なくとも脳波はそうなっていると仰っていました。)ので、海水温熱療法することによって、ケトン体優位の身体になっている可能性はかなり高い様な感じがしています。
海水温熱療法施術後には9割以上の方が身体が軽くなったと仰るのは、もしかしたらケトン体優位のお陰かもと考えています。 もしそうであるならば、身体に負担のかかる食事制限などしなくても、崖を登る様な危険なことをしなくても、ただ50分間施術を受けるだけでケトン体優位の恩恵を受けられるかもしれないですね。