海水温熱療法が慢性疲労に効果的な理由

私は10数年前にいわゆる慢性疲労症候群というものに苛まれたことがあります。カラダが重く怠く、腸痛が酷くてやる気も起きない。顔色も悪くすべてが悪循環の状態。本当に辛かった記憶です。
その頃は食事療法を中心に試行錯誤して完治まで持っていきましたが、その頃に海水温熱療法に出会っていればもっと簡単に改善出来ていたし、そもそも慢性疲労症候群になっていなかったんだろうなと回顧しています。
慢性疲労症候群予備軍ともいえる慢性疲労の状態からの脱却におすすめの海水温熱療法。今回の記事では慢性疲労症候群に海水温熱療法が効果的な理由を解説していきます。
自律神経の調律:交感神経ジャックからの解放
慢性疲労の正体は自律神経が交感神経優位でロックされたまま戻らない状態がベースにあることが多いとされています。常に闘争・逃走モードがオンになっているとカラダも心も休まらないので慢性的な疲労のスパイラルに突入しやすくなるというからくりです。
海水温熱療法は、高温の海水蒸しタオルをリズム良くあてることで、まず皮膚感覚を通じて交感神経を一度ぐわっと刺激しますが、施術が終わるころには副交感神経が優位になります。これは過緊張からの脱力によるリバウンド作用といえ、まさに自律神経のスイッチを揺らしながら整える技法ともいえ、ピアノで例えるなら、チューナーが一音一音確かめながら調律していくような作業になります。
ミトコンドリアの活性:細胞のエネルギー炉が再点火
慢性疲労を抱えている方は細胞のエネルギー産生工場ミトコンドリアがサボってることが多くあります。この状態で熱を与えるとこのミトコンドリアが再び活性化しやすくなります。これはヒートショックプロテイン(HSP)という細胞内タンパク質の働きが鍵で、海水温熱療法で局所的に45℃前後まで温めるとHSPが誘導され、細胞修復・免疫調整・抗炎症までまるっとやってくれます。
特に慢性疲労に関連する低エネルギー状態は、このHSPとミトコンドリア活性のダブル効果でブレイクスルーが期待できます。
塩の電解質と波動:内なる海の再起動
人間の体液と海水のミネラルバランスが非常に近似していることは有名ですが、慢性疲労を抱えている人は、細胞内外のミネラルバランスが乱れて、ナトリウムやカリウムがうまく働いていないことが多くあります。
この様な場合は海水の電解質がおすすめで、海水の成分を含んだ蒸しタオルで海水温熱療法を行うことによってナトリウムやカリウムなどのミネラルの動きが活発化し細胞内外の電気的バランスが整い、これによって神経伝達や筋肉の反応もスムーズになっていきます。
加えて海水の持つ波動(物理的にはミネラルや塩の持つ電気的な特性)が、皮膚を通じてカラダに共振するという仮説もあるので、カラダの内なる海を深層からチューニングしていく感覚です。
脳疲労のリリース:前頭葉の脱力モードへ
慢性疲労の人の中には考えすぎで前頭葉がオーバーワークになってる人も多くいらっしゃり、これがいわゆる脳疲労状態です。
海水温熱療法では、頭・耳・首の温熱刺激によって脳脊髄液の循環が改善され過剰な脳内熱の抜け道ができていきます。さらに、温熱による深部加温が迷走神経を優しく刺激するため、施術中にうとうと位の睡眠手前(脱力状態)に持っていけます。これは脳のニュートラルポジションへのリセットが必要な方や、疲れの根本がここにある人にはドンピシャのアプローチになります。
慢性炎症の沈静:静かなる火を鎮める
慢性疲労の裏にあるのが低レベルの慢性炎症になります。腸・肝臓・筋膜・リンパなど、どこかが微妙に炎症を抱えていると、それだけで全身のエネルギーが削られてしまいます。
海水温熱療法は、この微細炎症をあぶり出して整える技法とも云われており施術を受けると「炎症部位は熱が異様にこもって熱くなる。」「逆に熱を受けつけなかったりする。」などの熱の拒否反応自体がサインとなって現れてきます。そして、温熱刺激と発汗で毒素排泄と免疫再構築が同時進行してくれるので、これが疲れの根っこを抜く一撃にも繋がります。
まとめ
海水温熱療法はただ気持ちいい温めではなく、カラダと心のシステム全体にアプローチして、深層からバランスを取り戻す療法になり、慢性疲労という目に見えにくい症状に対して、細胞・神経・脳・ミネラル・波動から同時多発的にアプローチすることができます。慢性的な疲労でお困りの場合は是非一度体験してみてください。