肌荒れは肌の疲労や躓きのシグナル!? 海水温熱療法が肌荒れに効くメカニズム

肌荒れは、肌が本来持つバリア機能が低下し外部からの刺激に弱くなってたいり、キメの乱れ、乾燥・赤み・ニキビなど様々なトラブルが起きているいる状態を指しますが、シンプルに表現すると肌の疲労状態や肌の躓きのシグナルという云い方もできます。肌の専門的見解は皮膚科の医師に任せるとして、私は肌の疲労や躓きのシグナルという観点から海水温熱療法が肌荒れに対するメカニズムを紐解いていきたいと思います。
細胞代謝のスイッチ再起動
肌荒れの本質は肌細胞が元気に働けていない状態といえますが、これはターンオーバーが乱れ、古い角質が残り新しい皮膚がうまく生まれ変われないということになります。この状態は肌が怠けてるのではなく代謝エネルギー不足の状態とも云えます。
海水温熱療法では、温熱によって局所の毛細血管を開かせ酸素と栄養素の供給量を一気に増やすことが可能で、これが皮膚細胞にとって目が覚めるような活性刺激となり、停滞していたターンオーバーがスムーズになっていきます。特にビタミンAや亜鉛など肌修復に不可欠な微量栄養素も、血流が促進されることでダイレクトに肌細胞に届けられやすくなるので、肌は作り直す力を取り戻していくことになります。
排毒ルートを再解放
肌は内臓の鏡と云われていますが、体内に蓄積された老廃物や不要な化学物質・重金属などが行き場を失って皮膚表面に噴き出していて、それが肌荒れとして現れることが多いことが所以だとされています。
海水温熱療法の温熱刺激は、肝臓・腎臓の解毒臓器にダイレクトに届きますし、特に背中・腰・腹部への温熱刺激は、内臓の熱代謝(働くエンジン)を再起動してくれます。これによってカラダは、汗・尿・便などによって毒素を排出する経路を強化し始め、結果として肌を通じて出ていた毒素が、他のルートで出せるようになり皮膚への負担が軽減されることになります。
自律神経バランスが整うことで肌も落ち着く
ストレスが強いと交感神経が優位になり血管が収縮するので、肌の毛細血管もキュッと細くなり血流が悪化してしまいますが、さらにストレスホルモン(コルチゾール)により、皮脂の分泌や免疫反応も乱れ、これによにバリア機能までもが破綻していきます。
海水温熱療法は深部体温を一気に上げて、リラックス反応である副交感神経を優位にさせる働きがあり、これによち呼吸が深まり心拍が穏やかになり、ストレスホルモンの分泌も抑えられる効果が期待できます。皮膚は神経と直結している器官ですので、心が穏やかになれば肌も穏やかになるということです。
塩と海のミネラルが肌そのものの修復力を高める
海水温熱療法で使用する海水には、ナトリウム・マグネシウム・カリウム・カルシウムなど、皮膚のバリア構造の維持や保水に必要な微量ミネラルが豊富に含まれています。
温熱刺激によって毛穴が開いた状態でこれらのミネラルが経皮吸収されることで、肌細胞にとって外からの栄養補給にもなりますが、このミネラルのなかでも特にマグネシウムには抗炎症作用があって肌の赤みや腫れを鎮める働きもあります。海のエネルギーはただ単に温めるだけではなく肌にミネラルの恩恵も届けてくれています。
汗と一緒にうっ滞した気を排出
私たち人間は皮膚呼吸もしていますが、肌が荒れている時は毛穴が詰まり、皮膚呼吸が妨げられている状態になっています。
海水温熱療法でじんわりと深部から汗をかくことで、皮膚表面の詰まりが物理的に開放されていきますが、これはエステ的な毛穴ケアとは別次元の、エネルギーと体液の循環としての解放という意味合いになっています。さらに、汗と共に余分な熱や情動(怒り・緊張・焦り・恐れ)も放出されるので、肌がすっきりと抜けて軽くなる感覚にも移行していきます。
まとめ
肌荒れとはカラダのつまづきのシグナルとも云えますが、海水温熱療法は肌そのものに直接働きかけるだけでなく、肌荒れの背後にある代謝の低下・排毒不足・自律神経の乱れ・ミネラルバランスの破綻・情動の滞りまでトータルに見直してくれる全身から肌を癒す療法だと実感しています。単なるスキンケアでは届かない深いレベルにぐぐっと入り込んで肌を内側から立て直していくそんなイメージです。
実際に海水温熱療法を施術していると内臓機能が低下している方は肌の熱さが火傷するくらいに感じてしまいますが、これはカラダのエネルギーが低下していくと内臓など命に関わる部分の新陳代謝を優先し、肌のターンオーバーを後回しにすることで肌のバリア機能が著しく低下している状態になっているからこその反応です。肌はまさに内臓の鏡でありカラダの疲労や躓きの最初の危険信号ですので、肌荒れが気になる場合は一度しっかりと自分のカラダと向き合うことをおすすめします。