コラーゲンは脂じゃなくてタンパク質!から紐解く癒着リリースのポイント

コラーゲンは脂と勘違いされやすいですがタンパク質です。脂なのかタンパク質なのか間違いやすいコラーゲンの特性ですが、今回の記事ではこの特性を紐解きながら身体の癒着をリリースするポイントを考察していきたいと思います。
コラーゲンと脂の違いとは
冒頭でも記述しましたが、コラーゲンはタンパク質であり脂肪ではありませんので、カロリーもタンパク質と同じ1gあたり約4キロカロリーになります。ですのでコラーゲンと脂の違いは、タンパク質と脂の違いと同じことなのでまったく違う物質になります。
タンパク質であるコラーゲンがなぜ脂と間違いやすいかというと、ゼラチン化したコラーゲンはとろみがあって、ぷるぷると揺れて粘度があるので舌の感覚で脂として知覚しやすいのに加えて日本語の脂っこいという言葉の意味にはねっとりという意味も含むので脂と認識する勘違いが起きやすくなっています。また、解剖学的にみてもコラーゲンは皮下脂肪や筋間脂肪と隣同士ということも間違いやすいやすい要因の1つになっています。
コラーゲンの正体と生体での役割と状態
コラーゲンは脂ではなくタンパク質だということは上述しましたが、一般的にタンパク質といわれている筋肉部分はミオシンやアクチンなどが主成分なのに対して、コラーゲンの主成分はグリシンやプロリンやヒドロキシプロリンからできたトリプルヘリックス構造(3本の鎖が互いに巻きついてらせん状になった構造)の繊維状タンパク質になります。
コラーゲンはそのままだと、すじ肉のように硬くてゴリゴリしていますが、加熱することでヘリックスが解けて水中でゼラチン化しますが、ゼラチンは水分を抱え込みやすい性質を持っているのでぷるぷるのいわゆるコラーゲンのカタチになります。
生体内でのコラーゲンの存在
コラーゲンは身体の中で、皮膚・筋膜・腱・靭帯・骨・血管壁などあらゆる組織の土台や接着剤みたいな役割を果たしていて、上述した様なトリプルヘリックス構造の繊維状となって束をつくって強度としなやかさを持ちつつ水分を抱え込んでクッション的な役割も担っています。このことから、コラーゲンは構造の支柱と潤滑の補助という意味合いで存在してることになります。
生体内で癒着がある場合のコラーゲンの状態
生体内で癒着が起きている場合は、本来スムーズに動くはずの組織同士が異常にくっついてしまっている状態ですが、これは炎症や損傷が起きた際に修復のためにコラーゲンが大量につくられる際に正常な網目ではなくてゴワゴワの束になりやすく配列が乱れてしまいます。
これがいわゆる癒着の状態でコラーゲンの繊維構造が規則的に並んでおらず、ランダムに絡まった糸玉の様な状態になっています。
癒着リリースには温めるのがポイント
筋膜リリースやコリを緩ませるストレッチ、当サロンで行っている細胞セラピーを行うと癒着をリリースすることが可能ですが、リリースしやすくするための1番のポイントは温めることになります。その理由はコラーゲンの特性である、温めるとヘリックスが解けるからです。
ただ、コラーゲンは63℃~72℃でゼラチン状に変性が起こるもので、人体にそれ程の高温をいれることは出来ないという反対意見もでてきそうなものですが、国際コンセンサスでは安全と効果のバランスのとれている40℃~45℃程度の温熱刺激で痛み軽減や柔軟性アップすると認めておりますので、40℃位のマイルドな温めでも筋膜などの結合組織の緩みが生じて解けやすくなっている可能性は十分にあります。(温泉に浸かってしばらく柔軟性があがるのは恐らくこのためです。)
温めることによってコラーゲンのトリプルヘリックス構造が緩めば、筋膜リリースや細胞セラピーによって癒着をリリースしやすいことは明白ですが、イメージとしては癒着リリースの前にコラーゲンなどの癒着部位をふやかすしたり解けやすくしてリリースの下地をつくっていく感じです。
料理で例えると、冷たいすじ肉をいきなり解そうとしても硬くて無理なので、コトコト煮込んで(温熱刺激)プルプルにしてから箸で解す(筋膜リリースや細胞セラピー)ことになり、日常作業で例えると、布などの形状を整える時に、スチームアイロンでほわっと解して(温熱刺激)から整える(筋膜リリースや細胞セラピー)ことになります。
まとめ
コラーゲンは脂ではなくタンパク質ですが、加熱により硬くなる一般的なタンパク質とは正反対の加熱すると柔らかくなるという性質を持っています。
この性質を生体に置き換えて考えると癒着リリースに応用することができます。この応用に気づいてアドバイスしてくれたのが師匠の1人である吉元涼子さんで、海水温熱療法を施術した後に細胞セラピーをすると癒着が浮き上がってくる感じでリリースしやすいということでした。このアドバイスによって誕生したのが当サロンのメイン施術プログラムのディゾルブピーリングで、癒着リリースとしては他のリリース系の施術よりも成果のでやすいものになっています。
コラーゲンをはじめとした結合組織の特性は、生活や健康の効率を高めることにも繋がっていくので是非今回の様な情報もいれて生活の質向上に役立ててみてください。