温めのプロが教える「すぐに冷めるホットタオル解消術!」

健康や美容のために自宅でホットタオルをつくって温める方が近年増えてきています。湿った熱はカラダの深部に熱が浸透しやすくて、湯船に浸かるより温まるという説もあるくらいで、海水温熱療法士の私からしてもイチ押しの温め方法になります。
そんなホットタオルですが、ホットタオルをつくってカラダを温めようとしてもタオルがすぐに冷めてしまうので、なかなか思う様にカラダを温めることが出来ないということがしばしばあります。
熱は冷めてしまうのでこれは仕方のないことですが、少しでも熱を逃がさずにタオルが温かい状態を持続出来るポイントなどを経験則に沿ってご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ホットタオルがすぐに冷める理由とは?
ホットタオルがすぐに冷める理由をシンプルに説明すると「タオルそのものが熱を蓄える能力が限られていて、周囲の空気やカラダに熱が逃げていくため。」になり、具体的なメカニズムとしては…
- 空気に触れる面積が広いので熱が外に放出されやすい
- 水分が蒸発することで冷却効果が働きタオルの熱を奪っていく
- タオルの素材は熱を長時間保持する特性を持っておらず温度が下がりやすい
などが挙げられます。因みに、水分の蒸発を防ぐことによって温度が下がりにくくなるのであれば、ホットタオルをラップで包んだりジップロックなどにいれて活用すると温度が下がりにくくなりますが、これをすると扱いにくさやカラダへの熱浸透力が低下してしまいますのでホットタオルでの活用が困難で本末転倒になってしまいす。
冷めにくく実用的なホットタオルをつくるポイント
ホットタオルはその特性上冷めるもので、冷めないままでずっと使い続けることは不可能です。少しでもホットタオルの熱保持時間を長くするための唯一のポイントは、空気に触れる面積を狭くすることです。畳んだ状態でホットタオルを扱うと冷めるのが遅くなりますし、理想は下図の様にタオルを畳んだ状態で縫ってしまえばより熱が逃げにくくなります。
厚手であればあるほど熱は逃げにくく冷めにくいのですが、あまり厚手にし過ぎるとホットタオルとしての機能性が低下してカラダを温めにくくなってしまうので、通常のフェイスタオルであれば4つ折りくらいの厚さまでにしておいた方が無難です。
タオルの材質としては綿素材が保温性に優れているので綿100%のタオルがおすすめです。
因みにホットタオルは洗濯して脱水が終わった状態(干したり乾燥器にかけていない湿ったもの。)で温めるのが丁度いい感じの熱さになります。脱水が弱すぎると温度が上がり過ぎて火傷の可能性がありますのでくれぐれも注意してください。
ホットタオルで継続的にカラダを温める方法
ホットタオルで継続的にカラダを温める方法は複数のホットタオルをつかうしかありません。1枚のタオルで温めていてタオルが冷めたら温め治すのに時間がかかりますが、複数のタオルを使用すればカラダを温めている間に別のタオルを温められるので、切れ間なく温かいタオルを使い続けることが可能になります。
ホットタオルは2枚のローテーションでも可能ですが、3枚のローテーションであれば常に温かい状態をつくりやすいのでおすすめです。温熱サロンでは下図の様に3枚のホットタオルでローテーションさせますが、絶妙に丁度いい感じで50分間カラダを温めることが可能ですので、おすすめは3枚でのタオルローテーションになります。
ホットタオルづくりは蒸し器での温めがイチ押し
ホットタオルといえば電子レンジでの温めが定番ですが、温めのプロとしてはお勧めしませんが、その理由は…
- マイクロ波の反射場所による加熱ムラが起き、熱いと箇所とぬるい箇所ができてしまう
- 電磁波をつかって分子を急激に振動させることは自然界に存在しない不自然な熱になっている
- 電磁波で急加熱されたタオルはじんわり温まる感覚が乏しい
になります。ホットタオルは、いかに心地よい熱をカラダの深部に届けるかが大切なのですが、電子レンジでの温めは上記の理由からリラックス効果が低下してしまうためお勧めしていません。
多少手間はかかってしまいますが、ガスコンロで使用する蒸し器で温めたホットタオルがイチ押しです。(海水温熱療法をする際にIH調理器で蒸しタオルをつくると効果がでないのでIHもお勧めできません。)カセットコンロであればホットタオルをする場所の近くでタオルを蒸すこともできて便利です。因みに、蒸し器は直径25㎝もあれば十分ですし1,500円以下で購入可能になります。
まとめ
ホットタオルがすぐ冷めるのは自然なことなのでどうすることも出来ませんが、ちょっとした工夫で冷めにくくも出来るものです。
電子レンジやIHなどの様な不自然な熱ではなくて、蒸し器(ガス)をつかってホットタオルをつくることによって、ホットタオルの効果をしっかりと引き出せるので、少々手間はかかってしまいますが、蒸し器(ガス)でのホットタオルづくりをお勧めします。