朝ごはんを食べないと太るは嘘?ホント?身体メカニズムと観察研究から徹底考察

朝ごはんを食べないと太るという情報をみかけることがあります。元々私も朝食を食べていましたが、10数年前から朝食を摂取しない生活(1日2食)に切り替えたところ数カ月で体重や体脂肪率が減少した上に健康状態が格段にアップしました。
ダイエットに興味があるクライアントさんに朝食を抜くことを推奨したところ実践してくれた方すべての方が私と同じように体重や体脂肪率が減少していましたので、朝ごはんを食べないと太るというのは私の経験則でいくと嘘の情報だと感じています。
とはいえ、朝ごはんを食べないと太るという情報は未だに少なからず出回っていますので、何故この様な情報があるのか、また実際に朝ごはんはどうすればいいのかを改めて検証していきますので朝食論争の1つの参考にしてみてください。
なぜ朝ごはんを食べないと太るといわれる様になったのか?
「朝食を食べないと太る」に関連する研究は以下の様に国内や海外でいくつか観察研究があります。
朝食を食べないと体重が増えるだけでなく筋肉量も低下することを解明
名古屋大学大学院生命農学研究科 小田裕昭准教授らの研究グループは、マウスをつかった実験で朝食欠食が脂肪組織の重量を増加させ筋肉量を低下させ、メタボリックシンドロームの危険性を増大させロコモティブシンドロームやサルコペニアの危険性も増大させると発表。
アメリカ栄養学会誌(2003年)に掲載された2歳~20歳までの320,000人を対象にした研究で、朝食を食べる子どもや青年の方が、BMIが低い傾向があると報告されている。
米国国民健康栄養調査で若年成人を対象にした観察研究で、朝食を抜く人は昼や夜に高カロリーで不健康な食事を摂取る傾向があるとされている。
ネット検索であがってくる研究成果でいくと上記になりますので、朝ごはんを食べないと太るといわれる様になった要因として上記観察研究が関連している可能性はありそうです。
ただ、上記の研究結果を読んでみると解ることですが、名古屋大学に関してはマウスの実験、アメリカ栄養学会誌に関しては20歳以下の研究観察、米国国民健康栄養調査に至っては朝食を抜く人は昼や夜に食べ過ぎる傾向があるといったことであり、少なくとも成人以上の人が朝食を抜くと太るという直接的因果関係が証明されているものではありません。
またインデェアナ大学医学部教授の執筆では、朝食を抜くと太るという研究のほぼすべては関連性のみであって因果関係はない上に、朝食を抜くのは悪いことだと決めつけ、読者にもそう思わせたがっているバイアスがかかった出版物に溢れており、朝食の必要性を裏付ける結果にはなっていない。こうした研究の多くは食品業界が痛くしている場合が多いと指摘しています。
これらのことを総称すると、食品業界が売上を伸ばすために朝食を食べないと太るという情報を流している可能性も浮上してきますし、少なくとも成人以上の人が朝食を抜いたら太ったという研究成果は1つも存在していないことは確かなので、朝ごはんを食べないと太るという事実の明確な根拠は無いといえそうです。
朝ごはんを食べない方が健康だといわれる理由
私は約20年前から健康産業に身を置いており、パーソナルトレーナーや施術家としてたくさんのクライアントさんのダイエットや健康のサポートをしてきました。正直私はダイエットにはあまり興味がなくて、クライアントさんを健康にすることを目標に日々取り組んできました。極端なことをいうと健康になれば勝手に痩せるということで、低酸素・低体温を改善してカラダの流れをよくすれば自ずと細胞は元気になりバランスの良い健康体になるので太るといった概念さえ無くなっていきます。
そんなカラダを手に入れてもうらために私自身が色々と試したり工夫して健康に取り組んできましたが、その中で朝ごはんを食べない健康法がコスパ最強且つ、ほとんどの方に結果がでるものだということが証明されています。
朝ごはんを食べない方が健康的(+α 痩せる)な理由は酵素学にあります。酵素学では午前中(朝起きてから正午位迄)は解毒と排泄の時間であり、カラダはそれにすべてのエネルギーを費やしたいにも関わらず、ここで食べものをいれてしまうと消化にエネルギーを取られて解毒と排泄が上手くいかなくなってしまう。だから腸内などを中心に老廃物が溜まり脂肪がつきやすくなったり代謝低下を招いてしまうというメカニズムです。
朝は新鮮なフルーツや野菜が推奨されているのもこの酵素学からで、新鮮なフルーツや野菜は植物が持っている酵素が自動消化を行ってくれるから消化にエネルギーを取られず、他のものに比べるとまだ解毒や排泄を阻害しないという観点からきています。(ちなみに朝のスムージーや朝バナナダイエットもこの酵素学からの流れになります。)
ずっと朝ごはんを食べている状態で突然朝ごはんを抜くと最初の1週間位は低血糖の様な立ち眩みがでる時もありますが、慣れたらまったくその様な症状は無くなりますし、旅行などで朝食を食べたら逆にカラダが重くなり調子悪くなってしまうくらいです。
子どもの朝食はどうしたらいい問題
朝ごはんを食べた方がいいのか食べない方がいいのかに関してどちらか選べといわれると、色んな研究データやこれまでの経験を踏まえると食べない方がいいと断言しますが、子どもの朝食をどうしたらいいかになるとちょっと事情が違ってきます。
結論からいくと子ども(18歳位まで)は朝食を食べるべきですし食べた方がいいといえます。これはカラダのエネルギー産生システムに関わってくることですが、ヒトのカラダは解糖系とミトコンドリア系のエネルギー産生システムを有していて、シンプルにざっくり説明すると解糖系はスプリンター的でミトコンドリア系は長距離ランナー的なエネルギー産生システムです。
2つのエネルギー産生システムを生涯ずっと有していますが、成人までは幼ければ幼いほど解糖系エネルギー産生システムが優位で、成人以降はどんどんミトコンドリア系エネルギー産生システムへと移項していきます。
解糖系エネルギー産生システムが優位であればある程めちゃくちゃエネルギッシュでたくさん栄養が必要(だから子どもは朝から晩まで動き回って元気なのです。)になってくるので、解糖系エネルギー産生システム優位なエネルギッシュな幼い頃に朝ごはんを抜くと逆に体調を悪くしてしまう可能性が高いですし、成長を阻害してしまう可能性もあるのでここは酵素学よりもエネルギー産生システムを優先した方がよくて、少なくとも中学校を卒業する位までは朝ごはんをしっかり食べさせてあげた方がいいといえます。
まとめ
ここまで朝ごはんを食べないと太るについて検証してきて、様々な研究成果をみても朝ごはんを食べないと太るということの直接因果関係は無いので真実ではないという結論に至りますし、成人以降は酵素学やエネルギー産生システムからみても朝ごはんを食べない方が健康的で太りにくいという検証結果になります。
ただ、ヒトによってカラダの状態や生活環境は千差万別ですのですべての人がそうとは限りませんし、成人したすべての人が朝ごはんを食べない方がいいという訳でもありません。朝食がどうこうよりも何をどんなリズムで食べているかや、生活リズム全体としてバランスがいいかなどもしっかりと意識していくことが大切です。
色んな情報に振り回されたり、特定の情報を妄信し過ぎるとよくない結果を招くことが多いので、自身の感覚やカラダの状態を観察しながら自分にあったバランスを構築していくことが大切なことなので、ぜひ気楽な感じで生活習慣を見直してみてください。