化学調味料がダメだといわれる理由をわかりやすく解説

化学調味料はカラダに悪いって話をよく聞きことがありますが、科学調味料の何がどう悪いのか?と聞かれると、はっきり答えられる人は少ないのではないでしょうか。
今回はそんな科学調味料について「どんなものなのか」「安全性」から、科学調味料がダメだといわれる理由を深堀りして、科学調味料に関する誤解を少し解いていければと思います。つき合い方によっては、化学調味料もただの悪者ではありませんので、ポイントを抑えていきましょう。
化学調味料はそもそもどんなものなのか?
化学調味料と呼ばれるものの代表格はなんといっても、うま味成分で有名なグルタミン酸ナトリウムです。いかにも合成っぽい名前で人工的でカラダに悪そうですが、実はグルタミン酸ナトリウムは、サトウキビ等の糖を微生物発酵させる工程が中心で、昆布やトマトなどに含まれる分子と同じもので、自然界にあるものという風にも捉えられるものになります。
科学調味料の安全性はどうなのか?
世界的な評価としては、米国の食品安全機関ではグルタミン酸ナトリウムを一般的に安全と認められる分類に位置づけしており、欧州では2017年に体重1㎏あたり30mgに再設定しているので、概ね安全だけど多用すると安全性に問題がでる可能性があるといったところでしょうか。
ネット情報やSNSでは脳への影響を懸念する声がよくあがっていますが、健康な人であれば、グルタミン酸は腸でエネルギーとして燃やされてしまうので、普段の食事レベルでは脳に重篤な何かが起きることはまずないと云われています。
それでも科学調味料はダメだといわれる理由
科学調味料は食品規制が日本より厳しめの欧米でもそこまで規制が入っておらず、人工添加物よりは、だいぶ健康懸念が少ない割にオーガニック系界隈を中心にダメだと云われていますが、ダメだとされる理由には以下のことが挙げられます。
中毒性が高い
化学調味料は、油・塩・砂糖と組み合わされて、止まらなくなる味を創りだしやすくなっており、いわゆる中毒性が高いものになります。(スナック菓子やインスタント食品)中毒性が高いことでそれが食べ過ぎに繋がりますし、スナック菓子やインスタント食品にたっぷりと含まれている人工添加物(欧米では禁止されているもの。)の過剰摂取になるので中毒性は健康によくありません。
味覚が崩れる
強い味になれると基準がズレてしまうのはなんでも同じことですが、うま味成分が強いものや濃い味に慣れてしまうと薄味では物足りなく感じてしまいます。これは塩味にも同じことがいえ、だしや素材の自然なうま味が分かりにくくなってしまうばかりか、濃い味ばかりのものに趣向が向いてしまうために体内のミネラルバランス等が崩れやすくなってしまいます。
増塩増カロリー
グルタミン酸ナトリウムは本来、少ない塩(通常の3分の1)でも美味しくできる便利な成分なので減塩の為の武器になりうるものになりますが、実際に使われている食品では、元から濃い味をさらに強化するために使われる傾向が強く、総ナトリウム・総カロリーの多い食品を後押しする結果となっています。
子どもの過剰摂取
欧州の調査では、子どもや加工食品をよく食べる人は、安全とされる上限量を超える可能性があると報告されており、大人なら問題ない量でも子どもが日常的に食べると摂取過剰になる恐れがあったり、加工食品ばかり食べている人だと過剰摂取に陥りやすいというリスクが生まれています。
粗悪品のごまかし
グルタミン酸ナトリウムなどでうま味を強くすると、粗悪な素材でもそれなりに美味しく感じることができます。品質が低下していても、抗生剤をたくさんつかった肉でも、農薬をたくさんつかった野菜でもごまかしがきくので、粗悪品を食べる可能性が高くなってしまいます。
科学調味料と上手につき合うポイント
科学調味料がどんなものなのか、なぜ科学調味料はダメだと云われているのかの概要はみえたと思いますので、科学調味料と上手につき合うポイントを以下に紹介しておきます。参考にしてみてください。
- 食品表示をチェック 「調味料(アミノ酸等)」を見つけたら、塩分・糖分・脂質も合わせて確認。
- 加工食品を減らす習慣 外食ばかりではなく自炊や個人店での定食を食べる習慣をつける。
- だしで舌をリセット 昆布・かつお・椎茸の合わせだしを普段から飲んでいると、自然なうま味に慣れて濃い味中毒から抜けやすくなる。
まとめ
化学調味料そのものは基本的に自然由来でありますし、ある程度規制の厳しい欧米でも通常量なら安全とされているので、科学調味料がダメという訳ではありませんが、上述した様に「食べすぎを助長する仕組み。」「味覚を濃い味に慣れさせる。」などの間接的に健康を害する要素が多いためダメだと云われています。
シンプルに考えると科学調味料(グルタミン酸ナトリウム)がダメなのではなくて、食環境や使い方がダメなので、その辺りを踏まえて上手くつき合っていけば健康且つ健全なライフワークを実現出来そうですね。