海水温熱療法がアトピー性皮膚炎に効果的な理由と施術変化事例

アトピー性皮膚炎は単なる皮膚の病気ではなく、免疫・神経・皮膚・腸や肝臓などの内臓などの機能低下が複雑に絡み合って起こる全身性の炎症反応だと捉えています。
アトピー性皮膚炎は皮膚炎ですので、はじまりは皮膚の角層にあるバリア機能の崩れにあり、本来この角層は細胞がしっかりと結合した状態で外的を防ぎ水分を保っている状態にありますが、アトピー性皮膚炎の方はフィラグリンという保湿タンパクの生成が少なかったり、皮膚表面の脂質バランスが崩れていたりして、アレルゲンや細胞が侵入しやすく、また乾燥しやすい状態にあります。
こうした皮膚のバランスの崩れをきっかけに免疫系が過剰反応し始めていくのですが、特にアトピー性皮膚炎ではアレルギー反応を引き起こすTh2系免疫が活性化しやすく、IgE抗体や好酸球などが放出され慢性的なかゆみと湿疹へと移行していきます。これに加えてやっかいなことに、皮膚に張り巡らされた神経系の過敏化により、少しの刺激でもかゆみとして過剰に反応する神経状態に陥ってしまい、この神経過敏と免疫反応が合わさると、掻く → 炎症 → さらに痒い → また掻く というループに陥ってしまいます。
近年では腸内環境がアトピー性皮膚炎に深く関与していることが解ってきていますが、これは腸内の善玉菌が減少し、腸粘膜のバリアが弱ることで未消化のタンパク質や毒素が血中に漏れ出し、免疫系がそれを敵と認識して反応することで全身のアレルギー傾向を強め皮膚にも波及していくという流れになっています。
これらのことからアトピー性皮膚炎は、皮膚バリア機能のエラーから過敏な免疫反応が起こり、且つ神経系の暴徒と腸や肝臓の解毒エラーと複合的な不調の連鎖によって起こる病気だといえます。この構造を考えると皮膚を通して内側の環境を整える海水温熱療法がアトピー性皮膚炎に効果的だということがいえます。なぜ効果的なのかは以下にて解説していきます。
海水温熱療法がアトピー性皮膚炎に効果的な理由
海水温熱療法がアトピー性皮膚炎に効果的な理由には大小合わせるとたくさんのものがありますが今回は代表的な以下の理由を解説していきます。
カラダの深部から整える温熱刺激による免疫の再教育
アトピー性皮膚炎の方の免疫はちょっとした刺激にも過敏に反応し敵ではないものにまで攻撃を仕掛けてしまい、この誤作動が炎症の連鎖を生んでいますが、海水温熱療法は肌の表面ではなくカラダの深部の体温をじっくりと上昇させる特性があります。
この温熱刺激が細胞に伝わるとヒートショックプロテインという特殊なタンパク質が産生され、傷ついた細胞の修復を助けると同時に誤作動により暴走している免疫を鎮めて本来のバランスに戻す様に働きかけいきます。
ミネラル成分が肌の基礎構築
海水には地球が長い時間をかけて育んだマグネシウム・カルシウム・ナトリウム・カリウムなどの天然ミネラルが豊富に含まれていますが、これらはすべて肌の健康を保つのに欠かせない成分です。マグネシウムは炎症を鎮め皮膚のターンオーバーを整える作用があり、カルシウムは細胞と細胞の隙間をギュッと繋ぎなおして外敵の侵入を防ぐ効果があります。また、弱アルカリ性の海水はアトピー性皮膚炎で産生に傾いた肌のpH値を整えバリア機能の再構築を助けていきます。
汗とともに滞った毒の放出
アトピー性皮膚炎の方のカラダは体内に溜め込んだ老廃物や未処理熱をうまく体外に放出できないことが多いと云われています。海水温熱療法でカラダがしっかり温まると表面的な汗とは違い芯から滲み出る汗がでてきますが、この汗には重金属や有害物質などの放出したかったものが含まれているので、汗とともに毒が抜けていくことになります。
神経を鎮めて掻くループを断ち切る
アトピー性皮膚炎の痒みはただ皮膚が炎症を起こしているからだけではなく、根底にあるのは神経の過敏さになっていて、少しの摩擦や刺激が異常なかゆみとして脳が受け取ってしまう神経状態にあります。海水温熱療法は深くじっくり温めることで自律神経のバランスを整え、副交感神経を優位にしてくれるので、過敏な神経が鎮まり、痒みに対する感度が下がっていきます。副交感神経優位な状態が増えてくれば深い眠りにつきやすくなるので夜間の掻きむしりも徐々に落ち着いていきます。
腸と肝臓の機能を取り戻す
アトピー性皮膚炎の根底の問題の1つが腸と肝臓の機能低下になります。腸は免疫の7割を司り、肝臓は解毒と炎症のコントロールを担っていますので、これらが機能低下すると毒素が体内に蓄積し皮膚に現れやすくなっていきます。海水温熱療法ではお腹周りもしっかり温めるので、腸の蠕動運動を活性化させ滞っていた便やガスが動き出し腸内環境が整いやすくなりますし、海水ミネラルは肝臓の働きを後押し溜め込んだ炎症物質を代謝する力を再起動しやすくしてくれます。
海水温熱療法によるアトピー性皮膚炎の変化段階
海水温熱療法によってアトピー性皮膚炎がどの様に変化していくかの一例。(※症状の違いによりますので、すべての方にあてはまるものではありません。)
第1段階 施術初期(1回~3回目)~変化は小さいが内部の反応が始まる時期~
施術後に赤みが増したり一時的に悪化した様にみえる。
汗の出方に左右差がでたり汗が出にくい部分が解りやすくなる。
痒みの質が変わりどちらかというと深部のムズムズ感がでる。
第2段階 解毒排泄期(3回~7回目)~カラダの中にあった熱と毒が外へ動き出す時期~
皮膚表面に汗の膜が現れる様になってくる。
掻きむしりの頻度が減少し痒みがでても多少我慢が効くようになってくる。
硬く盛り上がっていた皮膚が徐々に柔らかい質感に変化してくる。
排出口にあたる特定の部位だけ再び湿疹等がでてくる。
皮膚のツヤが徐々にみられる様になってくる。
第3段階 再生安定期(7回目以降)~肌が戻るのではなく新宇久なる過程~
赤みが引き皮膚の色が均一に近づいてくる。
角質の剥がれ方が正常化に近づいている。
汗が自然にでるようになってくる。
日常のストレスや環境変化でも過敏に反応しない肌になってくる。
まとめ
アトピー性皮膚炎は皮膚だけの問題ではなくカラダの奥からの異常を知らせるサインでもありますので薬で沈静化するだけでは根本的な解決にはなりません。海水温熱療法はそのサインを受け取って、海水と熱と周波数でその人が持つ本来の治癒力や免疫力を再起動させるお手伝いをしていくものです。薬事法で「アトピー性皮膚炎が治る」とは言えませんが、定期的に受けてくださる方は皆さん効果を実感していただいています。アトピー性皮膚炎に根本からアプローチされたいという方はぜひ1度海水温熱療法をお試しください。