痛みの質で見極める頭痛の「温め方」と「冷やし方」
頭痛は温めるべきか冷やすべきか・・・
頭痛に悩まれている方で、ご自身で対処されたい方にとっては、非常に悩むべきところだと思います。
海水温熱で身体を温めてきた経験からお伝えすると、
- ズキンズキンと痛い片頭痛の場合は冷やす
- キューっと締め付けられて痛む緊張型頭痛は温める
痛みの質で温めるか冷やすかを見極めると分かりやすいと思います。
頭痛の種類も数多くあり、世の中には約300種類もの頭痛があると言われています。
この中でも、「三大慢性頭痛」と言われているのが「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」です。
頭痛に悩まされている日本人は実に3人に1人と言われています。
最も有病率が高いのが緊張型頭痛です。
次いで、有病率が高いのが片頭痛です。
両方を持ち合わせているという人もいるようです。
今回は片頭痛と緊張型頭痛にフォーカスして話を進めていきます。
では、これからこの2つの頭痛に関する対処法やなぜ温めるのか、冷やすのかというところを掘り下げて行きたいと思います。
頭痛の種類ごとの対処法
今回は日本人に多いと言われている片頭痛と緊張型頭痛の2つに絞って話を進めて行きます。
ズキンズキンと痛い片頭痛
片頭痛は頭のこめかみ辺りがズキンズキンと痛みが起こるのが特徴で、脳の血管が拡張して脳神経の一つ三叉神経(さんさしんけい)を刺激されることで炎症物質が発生して痛みを引き起こします。
この痛みが片側だけ起こる人もいれば、両側起こる人もいます。
また、身体を動かしている時に頭の位置を変えると痛みが増すことも特徴です。
痛みは数時間程度で済むこともあれば、数日間続くこともあります。
酷い人だと1週間に1回と定期的に繰り返す人もいます。
片頭痛の原因
原因は不特定多数ですが
- 気温や気圧の変化
- 強い光
- 騒音
- アルコールの過剰摂取
などが上げられます。
かなり、五感が関わっていそうです。
また、日頃のストレスから解放された週末にリラックス状態になった時に血管が拡張し片頭痛が起こることもあります。
片頭痛の対処法
片頭痛の場合、まず、運動は避けることが無難です。
運動によって血液の流れが良くなり、痛みが増すこともあります。
歩くこと、家事など日常生活も運動になるので静かな暗い場所でゆっくり横になって休むことが肝要です。
また、上述した原因を避けることが大切です。
頭痛が起こってしまったらこめかみを氷枕などで冷やして対処することをおすすめします。
また、コーヒーなど適量のカフェインを摂取することで血管が収縮して痛みが和らぐ場合もあります。
キューっと締め付けられる痛みの緊張型頭痛
緊張型頭痛は頭全体が締め付けられて、圧迫されるような痛みが特徴です。
原因として挙げられるのは日頃のストレスや緊張状態が続くことなどメンタル的な要素が大きそうです。
ストレスや緊張による首や肩の力みにより、その周囲の筋肉が緊張してコリや張りとなって痛みを引き起こします。
緊張型頭痛の原因
緊張型頭痛の主な原因は
- 長時間のデスクワーク
- 立ち仕事など同じ姿勢が長く続くこと
- スマホの使用
- ポータブルゲームの使用
- 目の疲れ
- 冷房による冷え
などによって起こります。
これらの原因を見た時に、共通点として猫背のような頭が身体の前に落ちて丸まった姿勢になることで起こりやすいと言えます。
頭の重さが首や肩で支えなければならない状況を強いられるために首や肩周囲の筋肉が凝ったり、張ったりして硬くなってしまいます。
猫背の時間が長くなるとその姿勢が定着してくると首が身体より前にある状態で前を向くことが日常的になり、首の後ろ側についている後頭下筋群(こうとうかきんぐん)が過度に縮んで硬くなり神経を圧迫し頭痛を引き起こします。
緊張型頭痛の対処法
緊張型頭痛は片頭痛とは逆に温めることで痛みが緩和します。
- 運動で身体を動かす
- お風呂にしっかりつかる
- 首や肩周りを温める
- 姿勢を気をつける
- マッサージ・ストレッチ
などで対処すると痛みが緩和します。
しかし、重要なのは姿勢です。
デスクワークの時、スマホを見る時などの姿勢を気をつけることが最も効果的な方法です。
ただし、筋肉が硬くなっている状態だと良い姿勢も作れないので硬くなった筋肉をマッサージやストレッチで緩めることも必要になります。
マッサージに関しては上述したように後頭下筋群(大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋)を指でグリグリ指圧するだけで頭痛が緩和することもありますので試してみてください。
ストレッチに関しては根本的な原因にアプローチすることをおすすめします。
特に背骨、肋骨、肩甲骨を動かして上げることで頭がスッキリするので、頭痛の方こそ首や肩だけではなく、大きな部分を動かしてあげてください。
片頭痛の方は動かさずに安静に休んでください。痛みが増幅する可能性がありますので冷やして横になってください。
動画を3つほどご紹介しますのでぜひ行ってみてください。
背骨をしっかり反れるように柔らかくするのびのびエクササイズ
肋骨周りの筋肉を緩めるゆるゆるエクササイズ
肩甲骨周りの筋肉を緩めるグルグルエクササイズ
対処中に痛みが増した時の対応方法
また、いつものように頭痛が起こり、片頭痛の場合は冷やす、緊張型頭痛の場合は温めるという形で対処したが痛みが増した。
いつもは冷やすとおさまるのに…
温めると痛みがやわらぐのに…
など効果が見られたが「冷やす」も「温める」も効果がないとなった時には一度、頭痛外来に受診することをおすすめします。
まず、その頭痛が「他の病気によるものなのか」それとも「重篤ではない慢性頭痛なのか」を判断してもらうことは大切です。
まとめ
片頭痛の場合は、外的要因が比較的大きいので、強い光、騒音、アルコールの過剰摂取など環境を整えてストレスが掛からないように心がけることが大切です。
また、対処としてはこめかみ辺りを氷枕などで冷やすと痛みが緩和します。
緊張型頭痛の場合は、日頃の疲れやストレス、姿勢が大きな痛みの原因になります。
デスクワークでの姿勢、スマホの見方、パソコン・スマホの連続使用による目の疲れなど、この辺りに気を遣い日常生活の意識を変えることが大切です。
また、対処としては適度な運動、お風呂につかり温める、マッサージやストレッチで血の巡りを良くするなどカラダを温めることで痛みが緩和します。
痛みがひどい場合、頭痛の頻度が多くなってきた場合などは一度、頭痛外来への受診、相談をしてみてください。
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