気管支炎・百日咳における海水温熱療法
年齢:70代
性別:女性
職業:自営業
特徴:気管支炎による咳症状
経緯
来店の4カ月前より咳がではじめ、2カ月前から睡眠が出来ないほどの症状になったので、町医者の内科受診により漢方薬服用開始。
数週間服用も改善がみられなかったので日赤病院の内科を受診し強めの薬を処方してもらって少しだけ改善したが、数週間服用しても改善には至らず(特に睡眠中の咳がきつく、睡眠中の咳に関しては改善がみられなかった。)途方にくれていたところ、海水温熱療法を3回受けたら完全に咳が止まったという友人の紹介で来店。
海水温熱士としての初見
来店当初から咳が酷く、これまで施術したどの咳症状よりもしんどそうな咳のされ方だった。これまで咳で悩んでおられた方の施術では2~3回で咳がとまっていましたが、今回の女性に関しては少々時間がかかりそうなきらいがあった。
温熱の方針
海水温熱療法の特性の1つとして、炎症が起きている箇所(機能が低下していたり、治ろうとしている部分。)は、そうでない箇所に比べて熱く感じるという特性があり、これは炎症を促進させることによって治りを早くする可能性を秘めています。
この特性を活用して、気管支の炎症を促進させることで、気管支の回復力を高めて咳を抑えていくことを第一とし、免疫細胞の多い腸や、免疫T細胞を活性化する胸腺辺りにもしっかり熱をいれることによって、身体が本来持っている免疫力を高めていくことに注力する。
施術内容
海水温熱療法の基本的な流れで全身を50分間温めた後、気になったスポット(改善が速くなりそうな箇所。)に再度熱をいれる。
施術回数・頻度・期間
気管支炎や百日咳の場合は、間隔を詰めて一気に回復に持っていった方が治りも早く楽になるので、1週間以内に来れるだけ来ていただくという説明をし、施術を開始した。
通常の気管支炎や百日咳では2~3回の施術で咳の症状が改善するが、今回は重度であった為、4回(6月9日・10日・12日・15日)の施術を要した。
施術後の経過
6月9日(初回)
咳がきつく、出始めると凄く苦しそうに咳をされる。温熱中も気管支あたりを温めると咳が止まらず一時中断する程であった。
骨盤周り(腸が冷えている。)と、気管支の熱のはね返りがきつい。腸内環境がかなり悪化しているきらいがあったので、+1は骨盤周りに熱をいれた。
6月10日(2回目)
前日の咳よりも、咳の種類が変化(少しマシになっていた。)していたが、本人的にはあまり変化がないと仰っていた。
気管支の熱のはね返りは前回よりも解消されていたので、一定の効果が認められたが、腸内環境に由来する骨盤周りのはね返りがきつかったので、この日も+1は骨盤周りとした。
6月12日(3回目)
2日前の施術時よりも咳は少し改善しており、本人的にも睡眠中の咳が少しマシになったと仰っていた。(ただ、これまでに施術した気管支炎の方よりも回復がかなり遅いと感じた。)
骨盤への熱入れに関しては、初回よりも随分と熱が入りやすくなっていた。ただ、気管支に関しては2回目よりもはね返りがきつくなっていた。(初回のはね返りとタイプが違うので良い感覚のはね返りではあった。)
6月15日(4回目)
咳がほとんどでなくなった(睡眠中もだいぶマシになった。)様で、この日はほとんど咳をされず、少し咳がでた時に関しても軽い一般的な咳であった。本人的に咳が出なくなったことを喜ばれていた。
気管支の熱入りは、人並みレベルのはね返りまで回復しており、骨盤のはね返りに関しても初回よりも3割程度は改善していた。ある程度の手応えを感じることが出来たので、差し当たり施術終了と伝えて、また咳がぶり返したり気になったら連絡する様に伝えた。
それからは連絡がないので、恐らく咳はもう大丈夫になったのだと考察する。