私たちの根源的エネルギー産生「浸透」と水と塩の重要性
私たちの“生きる”を掘り下げていくと、エネルギーの生産と消費活動に他ならない。生きる上で最も重要なエネルギー源は太陽光であり、食べものをいただくということは現代栄養学みたいに様々な栄養素を摂取するよりも太陽エネルギーを食べものを通して摂取することが実は最も重要なことになり、この太陽エネルギーをもっとも多く含んでいるものが水と塩といえる。その水と塩がどれだけ體(からだ)にとって必要なものか。
この世界で初めて誕生した生物が行っていたエネルギー産生方法は「浸透」であり、生物の進化に伴い消費エネルギーの増加と多様化がはじまり、浸透によって産生されるエネルギーだけでは足りなくなってきたことで、食べものを摂取することによってエネルギーをたくさん産生する必要がでてきた。ただ、根源的なエネルギー産生はあくまでも浸透であり、この浸透が上手くいかなければ細胞レベルでのエネルギー産生が上手くいかないことから體の健全な状態をキープすることができない。
濃度の違う水分は、完全に混ざり合って均一な濃度になるまで成分の交換を行うが、體の中に存在する細胞と細胞が浸っている體液(たいえき)も2つの異なる濃度の塩水であり、この2つが必要以上に混ざり合うのを防いでいるのが細胞膜。細胞膜は水、塩、酸素を透過させる機能を持っていて、この現象こそが浸透と呼ばれる。
浸透により細胞の中に取り込まれる物質は必要度合いに応じてフィルターがかけられていて、優先順位は、酸素・水・塩 の順番になる。酸素呼吸をする生物には酸素は常に必要不可欠なので酸素の透過は自由に行われ制限はない。酸素の次に大切な物質は水と塩で、水が必要以上に透過すると細胞膜が破裂してしまい細胞は死んでしまう。このバランスを保つために必要なのが塩である。浸透の管理システムの大枠が以下であることからも塩の重要度がよく解る。
- 水と塩は細胞膜上にある水・塩イオンと共に浸透し、水や塩単体では細胞内に入ることは出来ない。
- 浸透で大事な役割を果たしているのはナトリウムイオン。
- 水と塩は一緒に細胞膜に入る際にエネルギーを産生する。
細胞は細胞内液と細胞外液の2つの液体の絶妙なバランスを保つ様になっており、塩分を外に排出する拡散と水を取り込む浸透を繰り返すことで根源的エネルギー産生を行っており、細胞膜によって区切られた1つ1つの独立した組織である細胞が生存し続けるためのエネルギー源となる。このことから體液が汚れなく水と塩のバランスを適度に保っていることが健康的に生きていく為に何よりも重要だといえる。
生きていく上で必要なエネルギーは浸透だけでは賄うことが出来ず、足りないエネルギーを補完するためには「嫌気呼吸」(発酵)と「酸素呼吸」(解糖・クレブス回路・酸化的リン酸化)が必要。嫌気呼吸の過程ではグルコースがつかわれATP(アデノシン三リン酸)が生成され、酸素呼吸ではATPからリン酸を分離してエネルギー産生を行ってADP(アデノシン二リン酸)が生成される。細胞に蓄積されたエネルギーは日常の活動によって消費されるため新たなATPの生成が必要でミトコンドリアがリン酸をつかってADPからATPを生成するが、ミトコンドリアがADPにリン酸を結合するために必要なエネルギーは浸透によって手に入れられている。浸透によって得られたエネルギーは嫌気呼吸の助けになり、酸素呼吸によって得られたエネルギーの1部はミトコンドリアによるATPの生成を助ける。つまり私たちの細胞がエネルギーを得る過程で必ず必要になる物質、それが水・塩・酸素となる。
なぜ十分且つ適切な割合の水と塩を摂取していないと体重が増えるのか。体重が増えるのに代謝(エネルギー)が低いのか。體に良いモノしか食べていないのに活力(エネルギー)が湧かず健康になれないのか。根源的なエネルギー産生に立ち返った時にみえてくるものがあるのかもしれない。
海水温熱士・パーソナルトレーナー
資格:嘉数式海水温熱士・銀座コーチングスクール認定コーチ・NPO日本食育インストラクター
海水温熱療法、パーソナルトレーニング併せて、14年間で延べ20,000人の健康サポート。肉体的・精神的・生活習慣等幅広い視点から根本的にカラダを改善していきます。
2023年より東京・大阪・名古屋・静岡にてオリンピック選手/医師/女優/アナウンサー/タレント/ピアニスト/経営者など各業界の第一線で活躍される方々からの施術を多数依頼いただいています。