慢性的腱鞘炎の温め方と早期回復のヒント
腱鞘炎は、手や腕を多用したり、反復動作の多い職業の方に多くみられます。
主な原因は、手首の周りの腱鞘(スムーズな手の動きを行うための組織)の使い過ぎによるもので、組織の摩擦により炎症を引き起こしていることが原因となります。
しっかりと休養をとりながら作業を行うことが腱鞘炎の予防や緩和にもつながりますが、職業となるとなかなか休養も取りずらいものですよね。
今回は、そのような方におすすめの腱鞘炎を温めて改善する方法と共に早期回復につながるヒントもご紹介いたします。
腱鞘炎を温める理由
まず初めにカラダを温めるという行為は腱鞘炎に限らず、カラダの血行をよくする働きがあるので、全ての人にケアをしてほしい習慣になります。
腱鞘炎になりやすい方の特徴は、同じ動作の反復や過度の局部使用によるものなので、温めるという行為は腱や筋肉の硬直を緩和して手や指が動きにくくなることの予防ができます。
腱鞘炎の温め方
腱鞘炎の温め方として大切なことは湿った熱を活用することです。
温めるためには熱エネルギーをカラダに浸透させていくことがポイントです、湿った熱が最も熱伝導率が高く深部まで熱を行き届かせることが可能になります。
さらにいうと、海水で蒸したタオルをつかうとさらに熱伝導率が高くなりますのでぜひ試してみてください。
沸騰したお湯に浸したタオルや洗濯機で脱水後の状態のタオルを蒸し器で温めて使用するのがおすすめです。(※火傷には十分注意してください。)
海水を使ってカラダを温める理由についてはこちらの記事で解説しておりますのでよろしければお読みください。
電子レンジやIH調理器具で温めることも可能ですが、これらは本来自然界には存在しないモノであり、熱エネルギーとしては健康的なものとはいえず、腱鞘炎の改善効果は期待出来ないため使用は控える様にしてください。
※自分で行う際は左右の手の体感の熱さが同じになるくらい温めるのがポイントです。
早期回復のヒント
ここからは海水温熱という施術で腱鞘炎のお客様をケアしてきた経験からのお話です。
実際に当海水温熱サロンには
「コンサートが2週間後に控えていて、腱鞘炎で痛みが激しく連弾ができない」
という腱鞘炎でお悩みのピアニストの方がお越しになられていました。
海水温熱療法で両手に熱入れをしていると、悪い方の手が明らかに熱さを発していたので、本来手の工程では1枚しかタオルを使わないのですが、表と裏4回ずつ計8回程度同じ工程を繰り返していると左右の手の熱の温度が同じになっていき、温熱療法後に問診したところ、痛みがまったくなくなったということを仰られました。
一時的に痛みが無くなっているだけの可能性もあるので、差し当たり今日明日は様子を見て痛みがぶり返してこないようであれば、明後日から少しずつ練習を再開する様にしてくださいということをお伝えしました。
「施術2日後以降は痛みもなく、いつも通りの練習ができ、コンサートにも間に合った」という事例でした。
実際の事例はこちらからご覧いただけます。
この腱鞘炎の方の海水温熱過程で分かったことが、腱鞘炎の症状を訴えられていた方の方手だけを施術するのではなく、両方の手を温めることがポイントだったということです。
現在腱鞘炎でお悩みの方も、片方の手を温めるのでなく、両方の手を温めて、その左右の感覚を確かめながら腱鞘炎のケアをしてみてください。早期回復のヒントになれば幸いです。