体を癒す「温熱療法」とはどのような治療法なのか?
入浴をはじめ赤外線療法やお灸など、さまざまな種類がある温熱療法ですが、癌の治療にも効果を上げ、近年注目を集めています。温熱療法とはどういった治療法なのか。なぜ優れた治療効果を上げるのか。海水温熱のみに限らず、体を温める温熱療法のついて、詳しく解説します。
そもそも温熱療法とはどのような治療法なのか?
温熱療法とは、体を温めて病気を治療する方法のことです。温熱療法のルーツは意外に古く、原始人が太陽にあたったり、温泉に入ったりして体を温めて病気を癒したことに始まったと言われています。
そんな温熱療法は、癌の治療法として有効例も報告されるなど近年注目を集めています。ただし、解明されていないことも多く、どういう方法で温めるのが治療として効果的なのか、どういう熱がいいのかなど、研究が懸命に続けられています。
温熱療法にはさまざまな種類がある
温熱効果を利用した治療には、「入浴」をはじめ、お灸を使ってツボや患部を温める「温灸」、赤外線を利用した温熱作用で治療する「赤外線療法」、専用の機器で温熱刺激を与える「テルミー療法」などさまざまあります。
それぞれ特徴が異なりますが、温熱療法とリンパ療法を組み合わせた新しい温熱療法「リンパ温熱療法」は、数ある温熱療法なかでも、高い治療効果が期待できると評判になっています。
温熱療法はなぜ効果的なのか
例えば傷んだ細胞を修復する「ヒートショックプロテイン」は、温熱療法によりどのようにして産み出され、体を癒すのかが明らかではありません。そのように、まだまだ解明されていないことが多い温熱療法ですが、温熱療法が治療効果を上げる根拠は、次のように整理されています。
①血流が促進される
温熱療法の熱刺激は、動脈と制脈を拡張させ、血流を良くします。血液の循環が改善されることにより、体全体にいい影響が起こると考えられています。
②免疫システムに作用する
温熱療法による熱刺激が免疫システムを刺激し、その結果、免疫力が高まると考えられています。
③リンパ管をきれいにする
温熱療法には、リンパ管を熱で刺激して、きれいにする効果があると考えられています。リンパ管とはリンパ液が流れるところで、動脈を上水道、静脈を下水道に例えれば、リンパ管は排水溝ということになります。
④気の流れを良くする
温熱療法の熱刺激は、体内のエネルギー「気」の流れを良くし、体調を回復させます。