海水温熱療法が冷え性に効果的な理由

クライアントさんの中には性別や年齢関係なく冷え性に悩む方が多くいらっしゃいます。効果がでやすいかどうかの優位差はありますが、ほとんどのクライアントさんの冷え性に海水温熱療法の効果がでていますので、今回はなぜ海水温熱療法が冷え性に効果的なのかを解説していきます。

細胞視点でみる冷え性の本質

よく冷え性といいますが、この冷え性とは「熱エネルギーの生成・伝達・保持の不全」という説明になります。なぜこの状態になってしまうかの背景には、ミトコンドリアの機能低下・毛細血管の萎縮や虚血・細胞膜の流動性低下・関質液の停滞による老廃物蓄積があり、これらによって、熱産生力低下・栄養や酸素供給不全・物質交換の遅延・微細循環ブロックなどが起こり、結果として熱エネルギーの生成や伝達保持不全が引き起こされています。

冷え性 = ホメオスタシスの崩れ

冷え性に悩む女性の多くは、ただ手足が冷たいという表面的な感覚だけでなく「なんとなく全身がだるい」「生理がつらい」「寝つきが悪い」などの慢性的な日常の体調不良を抱えていることが多く見受けられますが、これらの症状はほとんどすべて体温調整がうまくいっていない、即ちホメオスタシスが崩れていることが原因になります。

ヒトのカラダは本来自律神経や血管・ホルモン・筋肉・細胞の働きによって37℃前後の体温を概ね一定に保つ仕組みを備えていますが、現代の女性は偏食（カラダを冷やす食物の過剰摂取）・冷房・ストレス・運動不足などで体温を一定に保つ仕組みに過剰な負担がかかっていて、その結果深部体温の低下を招き熱が上手く産生・循環・保持出来ない状態になっています。

海水温熱療法の特徴

海水温熱療法は、海水の蒸気で温められた専用のタオルでカラダの表面から内側へと段階的に温熱刺激を与える療法になりますが、これは単なる外部からの温めとは違い、カラダ深部へと熱を送ることで細胞・血管・神経を活性化させていく点が最大の特徴ですが、具体的に解説していくと以下の様なアプローチになります。

海水温熱療法が細胞にもたらすアプローチ

海水温熱療法は、熱×振動×ミネラルの3要素をカラダの細胞に届ける療法であり、海水が本来持っている振動（周波数）の蒸気を含んだ温タオルで皮膚から深部へダイレクトに熱刺激を浸透させるもので、細胞レベルでもたらす5大要素は以下になります。

ミトコンドリア覚醒

熱刺激によって細胞内の43℃以上活性化する温度センサーTRPV1（熱刺激受容体）が作用し、これによってミトコンドリアに刺激が入ることでATP（エネルギー）産生を増加させ、エネルギー産生が増えれば増えるほどに熱産生力（内因的発熱能力）がアップしていくのでカラダが自ら温まり細胞性能力が高まりやすくなる。

毛細血管の再開通

熱刺激+ミネラルの組み合わせがあることで、一酸化窒素を誘導し（一酸化窒素は血管拡張物質なので）これにより、毛細血管が拡張し虚血状態であった末端細胞にも酸素と栄養が再供給されるようになり、常時冷たい手足（血流障害）からの改善が期待出来る。

細胞膜の再流動化

熱刺激によって細胞膜のリン脂質が柔らかくなることによって物質の通り道がスムーズになって流動性が高まったり、海水に含まれるミネラル（特にマグネシウムやカルシウム）が細胞内外のイオンバランスを調整し膜電位を安定化しやすくする。これによって細胞間の栄養交換は元より情報伝達も再流動しやすくなる。

間質液の活性化

深部に熱が浸透することによって、細胞同士の間にある間質液（細胞と細胞の間を満たしている液体）の流れが活性化し、乳酸・尿酸・脂質老廃物などの老廃物をリンパや静脈へ排出しやすくする。これによって循環が促進され熱産生が起こりやすいカラダになる。

自律神経のリセット

交感神経優位だと末端は血管収縮を起こすので冷えに繋がるが、海水温熱療法では熱が副交感神経を刺激するので自律神経のバランスが整いやすくなり、同時に血流が安定することで体温維持機能も正常化しやすくなる。

まとめ

冷え性になる理由は人それぞれですが、基本的にはホメオスタシスの崩れが起きることで深部や末端が冷たくなっており、冷えは “症状” ではなく “結果” です。細胞の疲弊・血管の衰え・神経の乱れに対して、表面的にだけ温めるのではなく、細胞レベルで体質そのものにアプローチしていく根本療法ともいえる海水温熱療法。体温が1度あがると免疫力は30％もあがると云われています。健康が気になる昨今の社会状況だからこそ冷えを放っておかないことが大切かもしれませんね。