正しく知ろう生理不順のホントの話
多くの女性が生理不順や生理痛だけでなく、生理前特有のイライラや無気力感、
過食やちょっとしたことでひどく落ち込むなどの症状に悩んでいるかと思います。
実は女性の約80%が生理不順を経験したことがあると回答しています
(生理不順についての調査統計は株式会社エムティーアイ『ルナルナ』サイト内アンケート調査をご覧ください)。
また、約8割の女性が生理期間中に何らかの痛みを感じ、
生理痛が「かなりひどい」「ひどい」と感じている人は女性全体の3割弱と言われています。
海水温熱に来られるお客様に中にも、生理痛がひどい・生理の周期がいつもばらばら、
生理前のPMSに毎月悩まされている…といった症状のお客様も多く来られます。
このような女性特有の心身の変化や症状を知る事、気付くことにより生活の快適さが大きく変わります。
女性の社会進出が期待される将来、これまで以上にしっかりとライフプランを考え、実行していくためにも
女性ホルモンとうまく付き合い、充実した毎日にしていきましょう!
正常な月経を知ろう
正常な月経を知るためのポイントは月経周期、月経期間、月経の量を知ることです。
自分の月経はどのような状態か確認してみましょう。
月経周期(生理周期)
月経が始まった日から次の月経が始まる前日までの間隔のことを言います。
頻発月経 | 正常な月経 | 稀発月経 | 無月経 | |
月経周期 | 24日以下 月に数回月経のような出血がある |
25日以上 38日以下 |
38日以上 月経が約40日間隔と遅れがち |
3か月以上月経がない状態 |
月経期間
正常な月経の持続期間は3~7日です。
それより短いと「過短月経」、長いと「過長月経」と呼ばれます。
これらの場合は何らかの異常が関係している可能性があります。
月経の量
正常な1周期の月経の量は20ml~140mlで、50~60gとされています。
140ml以上の出血がある場合を過多月経と呼びます。
以下の過多月経チェックをやってみて、該当するものが1つでもあれば過多月経の疑いがあります。
□昼でも夜用ナプキンを使う日が3日以上ある
□普通のナプキン1枚では1時間もたない
□経血にレバーのような大きな塊が混じっている
□以前より経血量が増え、日数も長くなった
3つのポイントを確認してみていかがでしたか?
少しでも不安や異常を感じたら一人で悩まず、
まずは婦人科へ相談してみましょう。
生理不順が起こる原因
女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があります。
エストロゲンは女性らしさをつくるホルモンであり、乳房が大きくしたり、肌や髪を綺麗にしてくれます。
さらに骨や血管を強くするなど健康面もサポートしてくれます。
プロゲステロンは、お母さんになるためのホルモンであり、妊娠を助けてくれます。
また、体温を上げる働きもあります。
これら2つの女性ホルモンが共に働いて、月経や妊娠・出産が成立します。
これらの女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、その卵巣に指令を出しているのは脳です。
卵巣と脳は常に連携を取りながら女性ホルモンを分泌しています。
つまり、生理不順が起こるのは、卵巣と脳がうまく連携できていないと考えられます。
例えば、精神的なストレスを受けて月経が乱れるのは、脳から卵巣への指令がうまくいかなくなるから。
また更年期に月経が乱れるのは、卵巣機能が低下し脳からの指令に十分応えられなくなるからだと考えられます。
また、近年では精神的なストレスだけでなく極端なダイエットやハードな運動、
過労などが月経異常が表れる原因のひとつにあげられます。
カロリー制限や糖質制限など過度な食事制限を行うことで体重が激減すると、
体は身を守ることを優先し、生殖を後回しにしようとします。
これは身を守るための防御反応であり、よりよい状態で子孫を残すための生物としての本能です。
その結果卵巣機能が低下し、月経不順や無月経になると考えられます。
食事制限のみでダイエットを行なっている方は、ウォーキングやストレッチなど
手軽に始められる運動を取り入れ朝昼晩きちんと食べることを心掛けましょう。
また、ホルモンバランスを乱す最大の敵はストレスです。
ストレスを解消するためにも、良質な睡眠をとることやお風呂にゆっくりつかることが効果的です。
妊娠・出産への影響
女性ホルモンの究極のミッションは妊娠・出産です。
月経も女性ホルモンの働きによるものです。
定期的に月経が訪れるのは、妊娠の準備が行われている証拠でもあります。
女性ホルモンは体を妊娠可能な状態に整え、妊娠すれば出産に向けて妊娠状態を維持し、
妊娠が成立しない場合は月経という形で子宮内環境をいったんリセットし、翌月の準備を始めます。
女性ホルモンは毎月これらのサイクルを繰り返しています。
脳と女性ホルモンは常に連携プレーをとりながら働いています。
脳と女性ホルモンがうまく連携が取れず、女性ホルモンの分泌が乱れてしまうと月経が不純になります。
そのため、このような状態は妊娠しにくい状態にあると言えます。
また、月経不順・無月経が続くと以下のようなことにつながる可能性があります。
・月経が回復しない
・子宮が萎縮する場合がある
・将来赤ちゃんが産めなくなる可能性がある
・子宮体がんのリスク上昇
・骨粗鬆症のリスク上昇
・動脈硬化のリスク上昇
このような状態になってしまう前に、不安な方は産婦人科への相談をしてみましょう。
生理前のイライラや無気力は何?
皆さん、PMSという言葉をご存知でしょうか?
日本ではまだまだ知られていない言葉ですが、実は女性の7割から8割が
これらの症状を経験していると言われています。
生理予定日の大体1週間前から発症し生理が始まると症状が治まる人が多いのが特徴です。
生理前の大体1週間前後から思いあたる症状がないかチェックしてみてください。
生理前の症状チェック!
・身体的トラブル
□頭痛 □肩こり □腰痛、下腹部痛 □便秘、下痢
□胸が張る □眠気・不眠 □疲れやすい・だるい □摂食異常(過食・拒食)
□耳鳴り □体重増加 □肌荒れ、湿疹、にきび
…など
・心理的トラブル
□情緒不安定 □理由もなく憂鬱、無気力 □イライラする □衝動買い
□否定的・悲観的 □集中力・判断力の低下 □ちょっとしたことですごく落ち込む
□感情的になりやすく、相手にきつくあたってしまう □性欲が異常に増進・激減
…など
どうでしょうか?思いあたる症状はありましたか?
これらの生理前に表れる身体的・心理的に不安定な状態をPMSと言います。
これらの症状が来た時、PMSを知ってさえいれば、周りとの関係に気を配れたり、
自分の精神状態を客観的にとらえて対応することが出来き、悩みが少しでも楽になるかと思います。
なぜPMSは起こるのか?
結論から言いますと、PMSが起こる医学的な解明はされていません。
なぜならPMSには150種以上の症状が報告されており、しかもその症状には個人差が大きいからです。
原因には諸説ありますが、今は体内のホルモンバランスの変化が
起こしていると考えるのが最も一般的になっています。
排卵から月経へとホルモンのバランスが変化するとき、
身体がその変化に対応しきれず、心身が不安定になるというものです。
つまり、生理前のイライラや過食、心が不安定な状態も女性ホルモンに関係していると言えます。
治療と対策
無月経の場合は、根本的な原因を見定めることが重要です。
例えば、無理なダイエットや過労、ストレスが原因で月経が止まっていると考えられる場合は、
体重を戻したり、休養したり、ストレス要因を排除したりするだけで月経が戻ってくる場合もあります。
こうした根本原因の対策と同時に、ホルモン療法として、月経周期に合わせて
プロゲステロンだけを投与する「ホルムストローム療法」をまず1周期行います。
薬を中止した後に出血があれば、この方法を3~6周期繰り返し様子を見ます。
一方、1周期行って中止した後に出血がない場合は、エストロゲンとプロゲステロンを
月経周期に合わせて投与する「カウフマン療法」を3~6周期行い様子を見ます。
このような方法で卵巣を刺激し、休薬後に自力で月経が起こることを期待します。
なお、乳汁を分泌するプロラクチンや甲状腺ホルモンなどが高くなって
無月経になっている場合は、そちらの治療を優先します。
海水温熱で生理痛・PMSを緩和
海水温熱を行ない、実際に生理痛・PMS症状が緩和されたお客様がいます。
緩和する理由として考えられるのは、骨盤周りにしっかりと熱を入れてぽかぽかと温めることで、
子宮の冷えが緩和されたからではないかと思われます。
以下は実際に症状が緩和されたお客様の声です。
かなり強い生理痛に悩まれている方
生理期間中の生理痛がある状態で施術したところ、その日1日は完全に痛みが取れたとのことでした。
しかし、翌朝は再度痛みを感じるとのことでした。
その後、半年間週1回継続的に受けることで痛みが半減したとのことです。
毎月PMSに悩まれている方
毎月PMSに悩まれている方が3ヶ月間週1で受け続けたところ、PMS症状がなくなったとのことでした。
その後月に2回の頻度で継続的に受けることで2年ほどPMS症状がでていないとのことです。
このように実際に症状が和らいだ方々がいます。
症状の程度や、種類により緩和する度合いや、緩和する期間も個人差はありますが
症状が緩和された方が多くおられます。
また、PMSの身体的症状は、ホルモンバランスの変化で
血行が悪くなり引き起こされるものが多くあります。
海水温熱では、全身を温めることで血管が拡張し血流が良くなる効果も見られます。
血流が良くなることで、肩こりを軽減させたり疲れにくくなるのではないかと考えられます。
その他のPMS緩和方
〈食事〉
生理前や生理期間中に異常に食欲を感じるのは、生理期間は体力をとても消耗するので、
その前に体が本能的に栄養をたくさん蓄えておこうとするからだと考えられます。
特に甘いものが無性にほしくなるのは、生理前にホルモンバランスが変わり、
糖代謝が変化するため血糖値が下がりやすくなるからではないかと言われています。
過食の人は無意識に食べるのではなく1日3食規則正しく食べることが基本です。
食べないことで、脳がエネルギー不足になり、イライラや眠気を感じる症状が悪化します。
また、食事の間隔が空き、まとめ食いをすると血糖値が急激に上がります。
それにより、インスリン分泌量が増え、逆に血糖値が急降下するため、また食べたいという悪循環を招きます。
このように、血糖値が急上昇・急降下することが、脳や身体を混乱させ、PMSの誘因につながります。
どうしてもおもいきり食べたくなってしまったら、運動後に食べたり、オシャレなカフェで決まった量だけ
食べるなど、工夫して食事しストレスを軽減させましょう。
〈サプリメント〉
サプリメントを上手く利用し、PMS症状を緩和させるのも良いでしょう。
ビタミン、カルシウム、マグネシウム、a-リノレン酸など
日常の食事では不足しがちな栄養素をしっかりと補いましょう。
また、以下のようなサプリメントもオススメです!
亜鉛:ホルモン伝達に必要なミネラル
テアニン:興奮した神経を落ち着かせ、リラックス効果有
チェストツリー:ホルモンバランスを整えるよう働きかけ、PMS時のむくみやニキビなどの身体的症状、
イライラなどの精神的症状を緩和させる。
ピクノジェノール:不快感を緩和させたり、生理痛を和らげるなどもおすすめです。
〈漢方・ハーブ〉
漢方は即効性はありませんが、数か月継続的に摂取することで身体の機能を全体的に整え
自己治癒するサポートをしてくれます。
ただし、体質や症状に合うものを選ばないと効果を得られませんので、
必ず専門知識のある医者や薬剤師に相談するようにしましょう。
ハーブには、香りで心身をリラックスさせ、不調を回復させる効能があります。
香りの好みやPMSの症状に合わせて選ぶとよいでしょう。
PMS治療に用いられる漢方
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
冷え、むくみ、情緒不安定などの症状に用いられます。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
頭痛、腹痛、めまい、肩こりなどの症状改善に用いられます。
・当帰芍薬散
体力のない人に向いています。鎮静作用・血行改善作用があります。
PMSに効くハーブ
・カモミール
女性ホルモンのような働きがあります。
痛み、情緒不安定、不眠、冷え、ニキビ、むくみなどに効果があります。
・ゼラニウム
ホルモンバランスを整える働きがあります。
血行を良くし痛みやむくみの緩和、気持ちを落ち着かせる効果があります。
・ローズ
ホルモンバランスを整える働きがあります。
イライラや感情的になりやすい気持ちを静めてくれます。
・ラベンダー
鎮静作用があります。
自律神経を整え、心身の緊張をときほぐしたり、癒してくれます。
〈ホルモン投与〉
ホルモン剤を補充し、バランスを整えることで症状を改善させる方法です。
ただ、副作用が強いため使用については医師との相談が必要です。
〈ピル〉
現在妊娠を望んでいない人であれば、低用量のピルを使って排卵を抑え症状を軽くする方法です。
女性ホルモンを投与し、ホルモンバランスを妊娠と似た状態にして排卵を抑制させ、
排卵後に起こる症状を軽くします。
しかし、飲み始めに吐き気やむくみなどの副作用が出ることもあります。
このように、症状を和らげる方法はいくつかあります。
PMSに悩んでいる方は、実践してみて少しでも症状が軽くなればと思います。
いかがでしょうか?
身体的トラブルは、どうにも我慢できませんがPMSの知識がないと、
原因が分からず不安を感じてストレスをためてしまいます。
原因は分からないけど体調が悪いと感じるときは、基礎体温表と日記をつけて
症状が出る時期をチェックしてみましょう。
生理前にのみ症状があればPMSの可能性が高いです。
ただし症状が重く、生活に支障をきたす場合は、産婦人科の受診が必要です。
このように正常な月経や、月経不順が起こる要素、PMSなど女性ホルモンとの
関係を知っていただき少しでも悩みが緩和されたらと思っています。
私自身もPMSにより、生理前は無気力でやる気が出ない日があります。
そんな時は温熱を受け、身体の芯から温めることで気分が和らぎリラックスして過ごすことができます。
生理痛・PMSに悩んでいる方はぜひ一度足を運んでいただけたらなと思います。